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推奨されている「Access抗菌薬」ってなんだ? 日本の使用比率は23%【クスリ社会を正しく暮らす】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月18日 9時26分

推奨されている「Access抗菌薬」ってなんだ? 日本の使用比率は23%【クスリ社会を正しく暮らす】

写真はイメージ

【クスリ社会を正しく暮らす】

 本年度の診療報酬改定において、外来使用抗菌薬のうち「Access抗菌薬」を多く使っている医療機関は評価され、報酬が少し加算されることになりました。さて、Access抗菌薬とはいったいなんでしょうか?

 2019年、世界保健機関(WHO)が抗菌薬使用量から抗菌薬適正使用を判断するために新たに「AWaRe(アウェア)分類」を利用した指標を打ち出しました。AWaRe分類では、抗菌薬を①Access②Watch③Reserve④Not Recommendedの4つのグループに分類。Access、Watch、Reserveの頭文字をとってAWaReとなるのです。

 この中でも、「Access」に分類される抗菌薬(Access抗菌薬)は、狭い範囲の細菌に対して効果があり、コストが安く、安全性が高い抗菌薬とされています。耐性菌を作る懸念の少ない抗菌薬で、一般的な感染症の第1選択薬または第2選択薬として用いられる抗菌薬がAccess抗菌薬なのです。

 一方、Watch抗菌薬は、第3世代セフェム系やニューキノロン系など広いスペクトルの抗菌薬が多く、これらは耐性化が懸念されるため、限られた適応にのみ使用すべきとされています。

 日本は、世界各国と比較して抗菌薬の使用量自体は決して多くはないのですが、耐性菌を作りやすいとされるWatch抗菌薬の使用割合が高く、逆に耐性菌を作りにくいとされるAccess抗菌薬の使用割合が低いことがかねて問題とされていました。抗菌薬の販売量から見た日本におけるAccess抗菌薬の使用比率は、2023年ではまだ23%にとどまっています。今後は60%が目標とされています。これからは抗菌薬を使うにしても、その内容まで問われる時代となってきているのです。

(荒川隆之/薬剤師)

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