ソフトバンクOB指摘 甲斐拓也の巨人移籍が「結果的にプラスになる」理由…《戦力激減で大打撃、という見方は違う》
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月18日 11時11分
甲斐拓也(C)共同通信社
「ソフトバンクとしてはプラスになる可能性も、マイナスになる可能性もある。ただ言えるのは、戦力激減で大打撃、という見方は違うと思いますよ」
こう話すのはホークスで長年エースとして活躍したOBの山内孝徳氏だ。
昨17日、ソフトバンクからFA宣言していた甲斐拓也(32)が巨人入りを決断した。
日本代表を務めるなど球界を代表する捕手の獲得を熱望した巨人はウハウハだろうが、正捕手が流出したソフトバンクの三笠GMは「ダメージがないと言ったら嘘になる」と言っている。
今季、甲斐は119試合で打率.256、5本塁打、43打点。投手をリードするのみならず、打者としても結果を残した。穴はそう簡単に埋まるものではなさそうだが、冒頭の山内氏は「私の見る限り、現状はプラスマイナスゼロ」と、こう続ける。
「甲斐は捕手としての安定感があり、特に若い投手に安心を与える存在でもあった。甲斐とバッテリーを組むことが、若手にとっての大きなプラスだったことは事実でしょう。ただ、その一方で甲斐がいたら、いつまで経っても他の捕手が成長できない。ソフトバンクには今季、甲斐に次ぐ51試合に出場した海野(27)や、打撃に定評のある谷川原(27)などがいます。甲斐の移籍は彼らの競争意識を大きく刺激しますよ」
正捕手の流出で来季はイヤでも若手に出場機会を与えざるを得ない。捕手は何よりも経験がモノを言うポジション。甲斐がいれば、どうしたってチャンスが限定される海野や谷川原らが加速度的に成長する確率が増す。
「今季のソフトバンクは2位日本ハムに13.5ゲーム差をつけて優勝したように、チーム力は抜群。甲斐不在で総合的な戦力はダウンは避けられないにせよ、そこはチーム力でカバーできる。来季は捕手陣に限らず、他の野手も戦力が落ちた分、必死に補おうとするはず。それらが上手くハマれば、来季は無理にしても2年後には結果的に甲斐移籍がプラスに働くのではないか」(同)
さらに山内氏は投手陣にも“科学反応”が起きることを期待している。
「これまで甲斐のリードに頼っていた投手陣が危機感を覚え、意識が変われば、大きなプラスになる」
災い転じて福となす、か。
◇ ◇ ◇
巨人が甲斐の獲得にあたり、用意周到にこしらえていた「秘策」とはいったい何だったのか。また、甲斐は何を最重要視してFA権を行使したのか。その心を衝く戦略とはーー。
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