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認知症や大腸がんのリスク増…「腸漏れ」を改善させる食事のススメ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月20日 9時26分

認知症や大腸がんのリスク増…「腸漏れ」を改善させる食事のススメ

腸漏れはあらゆる不調を引き起こす

「なんとなく体がだるい」「寝ても疲れが取れない」のなら“腸漏れ”が起こっているかもしれない。日本人の7割が該当するとされ、放置すると高血圧や糖尿病、ひいてはがんや認知症のリスクを高めるという。

「たまプラーザ南口胃腸内科クリニック」院長で、「たんぱく質と腸の新常識」(Gakken)の著者でもある平島徹朗氏に聞いた。

 腸の粘膜は、異物を取り込まないよう隣り合う腸の上皮細胞同士が密接に結合している。しかし、何らかの原因で細胞間の隙間が開くと、未消化の栄養素、ウイルス、アレルギー物質など、本来なら腸の粘膜を通過しないサイズの物質が血管内に漏れ出してしまう。これを「腸漏れ(リーキーガット症候群)」と呼ぶ。さらに、血管内にあふれだした物質が血液を介して全身に回り、臓器で炎症を起こすと、あらゆる不調を引き起こすという。

「腸漏れによる不調は、腹痛や下痢、息切れ、疲労感、口臭、抜け毛、集中力の低下、過敏性腸症候群など多岐にわたります。また、『腸脳相関』という言葉があるように、腸と脳は密接な関わりを持つ。幸せホルモンとも呼ばれる『セロトニン』は腸でつくられますが、腸内環境が悪くなるとセロトニンの分泌量が減って、うつや認知機能の低下のリスクを高めるのです」

 ほかにも、炎症を起こす部位によっては高血圧、糖尿病、気管支喘息、大腸がん、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす危険がある。

 腸漏れが起こる原因のひとつがタンパク質不足だ。腸の細胞は、タンパク質を原料にしてつくられている。とりわけ腸の粘膜は再生が早く、小腸で3日、大腸では10日程度といわれている。

「ところがタンパク質が不足すると、材料が不足して腸の細胞が再生できず、腸粘膜のターンオーバーの周期が乱れて、『腸細胞が老化↓腸内環境が悪化』といった悪循環を招くのです」

 実際、日本人の8割がタンパク質不足と報告され、それと同等数が腸漏れの状態と推測されている。

■まずは5日間のグルテンフリー

 腸漏れを起こさないために注意したいのが「食事」だ。

「中でも『小麦』と『乳製品』に気を付けてください。小麦に含まれるグルテンは、糊のように粘り気が強く、腸壁に張り付いて腸内に長くとどまりやすい。また、乳製品の主成分となるカゼインの成分にはα-カゼインとβ-カゼインがあり、前者は人体で消化できません。とりわけ牛乳に多く含まれるのはα-カゼインであることから腸に炎症を起こして細胞同士の隙間を開きやすくさせるのです」

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