バッテリィズが令和に「おバカ漫才」を蘇らせた!M-1グランプリ令和ロマンに肉迫した魅力をラリー遠田氏が解説
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月24日 11時3分
バッテリィズ(C)M─1グランプリ事務局
先日行われた「M-1グランプリ2024」(ABCテレビ、テレビ朝日系)は、令和ロマンが大会初の2連覇の偉業を達成したが、惜しくも準優勝ながら、決勝戦でキッチリ爪痕を残したのがバッテリィズだ。
バッテリィズ(エース・30/寺家・34)は、草野球チームでピッチャーとキャッチャーのバッテリーを組んでいた2人が2017年に結成。
今回、決勝戦初進出ながら、ファーストラウンドで7組目として登場すると、令和ロマンの850点を上回る861点で1位通過。最終決戦では、9人の審査員のうち、5人が令和ロマン、3人がバッテリィズ、1人が真空ジェシカに投票し、令和ロマンには2票差と肉薄した。
ファーストラウンドのネタは「偉人の名言」、偉人の名言を説明するインテリ風の寺家に、“バカ”なエースがボケを連発すると、会場は爆笑に包まれ、空気は一変。
採点後のコメントでは、「ボケが来るタイミングも角度もわからへんから、笑う準備ができへん間に笑かされてしまう」(NON STYLE石田)、「小難しい漫才が増えている中で、ワクワクするバカが現れた。日本を明るくしてくれそう」(オードリー若林)、「昔からあるスタイルだと思うが、逆に新しすぎてめちゃめちゃ面白かった」(かまいたち山内)、「他の人がやってもこんな面白くならない。エースの間が今日、一番笑えた」(ナイツ塙)、「長らく途絶えていたアホ漫才を令和の時代にうまいこと蘇らせた」(博多大吉)などなど、審査員たちも大絶賛だった。
ボケ担当エースの明るく無邪気な「おバカキャラ」が魅力
続く最終決戦のネタは、「世界遺産」。こちらも同じく、寺家の説明にエースがボケを連発するスタイルだった。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。
「バッテリィズの漫才の魅力は、ボケ担当のエースさんの明るく無邪気な『おバカキャラ』です。知識がないことでピントが外れた受け答えをしてしまうのですが、その外れ方が常に受け手の想像を超えているので、不意打ちを食らったように笑わされてしまいます。しかも、エースさんの発言はでたらめなようで意外と本質を捉えているところがあったり、そこに彼の人間的な優しさも見えたりします。最終決戦の『世界遺産』のネタでは、昔の偉人の墓が大きいのはそれだけ偉大だからだという話をされて『俺のおじいちゃんもおもちゃいっぱい買ってくれたから! 俺のおじいちゃんも偉大やから!』と返すくだりは、笑えるけど泣かされるようなところもありました」
どことなく昭和のにおいがするベタなしゃべくり漫才だが、“バカだけど愛嬌があって憎めない”というエースのキャラクターが大きなポイントになっているようだ。
「エースさんのキャラは唯一無二で、今後はそれを生かしたテレビの仕事もどんどん増えていくでしょうね」と遠田氏は付け加えるが、来年は、一気にブレークの階段を駆け上がりそうだ。
◇ ◇ ◇
連覇を達成した令和ロマンについてもラリー遠田氏は解説している。関連記事【もっと読む】令和ロマン「M-1グランプリ」連覇の大快挙!ラリー遠田氏が“お笑いAI”と評した天才的「場の空気の掴み方」…では、連覇の原動力を分析している。
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