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プロテクトはどう決める?裏取引は?FA甲斐拓也の“身代わり”は誰か…人的補償の舞台裏を元編成部長が明かす

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月24日 11時11分

プロテクトはどう決める?裏取引は?FA甲斐拓也の“身代わり”は誰か…人的補償の舞台裏を元編成部長が明かす

甲斐拓也(C)日刊ゲンダイ

 ソフトバンクから巨人にFA移籍した甲斐拓也(32)が23日、17日に移籍が発表されてから初めて公の場に姿を見せた。

 大分・別府市内で行われたトークイベントに登場。巨人への移籍を決断した一番の理由は「自分がどれだけ成長して上にいけるのか。自分自身も見てみたい。今後の野球(人生)のことを考えて、いろんな勉強というか、野球をもっと知りたいっていう思いがあった」と明かした。

 とはいえ、「絶対的司令塔になって欲しい」とラブコールを送り、獲得を熱望した巨人の阿部慎之助監督(45)は、その代償を払うことになる。年俸Bランクの甲斐を獲得したことで、金銭補償もしくは、人的プラス金銭補償が必要になるからだ。巨人は28人の「プロテクトリスト」をソフトバンクに送り、そこから漏れた選手が指名される可能性があるのだ。

 広島で投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏は、フロント幹部として2007年オフに広島から阪神へFA移籍した現広島監督の新井貴浩(47)、13年オフに大竹寛(41)が巨人にFA移籍した際、現場の最前線にいた。その川端氏が人的補償の舞台裏についてこう明かす。

「私がいた頃は、リストが届く前に、FAで選手を獲得した側のチームから電話をするのが暗黙の了解になっていました。新井が阪神へ移籍した時は知り合いの阪神の編成部長から連絡がきて、人的補償についての意向を聞かれました。当時のブラウン監督からは『足が使えて守れる野手が欲しい』と聞いていたので、そのまま阪神側に伝えました。その後、送られてきたリストを見ると、赤松真人(42)がプロテクトされておらず、松田オーナーを交えた編成会議で指名が決定しました」

 さらに川端氏は「事前にすり合わせることも少なくない」とこう続ける。

オーナー含めたフロント幹部で決定

「(Aランクだった)大竹の巨人移籍の際は、広島時代の同僚だった巨人の川口一軍投手総合コーチから電話で『誰が欲しいの?』と聞かれました。電話口の向こうで原監督の『投手? 投手?』という声が聞こえましたから。原監督に『広島が欲しい選手を探って』と言われたんでしょう。盟友の川口にウソをつくわけにはいきません。『若い投手』と言って一岡竜司(33)ら数人の名前を伝えると、一岡がプロテクトから漏れていました。

正直に言ったことでだまされて、その選手がプロテクトされたリストが届く可能性もあります。阪神と巨人が希望をくんでくれたのも、お互いに気心が知れていたからでしょう。だいたいのケースは事前にある程度話し合っているため、想定外の選手が指名されてビックリ仰天というケースは珍しいと思います。当時の阪神、巨人の両球団の28人は、年俸が5億円で高いから外れているとか一切なく、オーソドックスで予想通りでした」

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