豊昇龍にも“綱とりの権利”はあるが…協会に「双羽黒のトラウマ」、素行や人間性も厳しくチェック
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月25日 9時26分
右が豊昇龍(C)日刊ゲンダイ
言うはやすしだが……。
23日、相撲協会は来年の1月場所の番付を発表。11月場所を制した琴桜(27)が東の大関、豊昇龍(25)は西の大関となった。
大関で優勝した琴桜が来場所綱とりに挑むのは当然ながら、豊昇龍にもその“権利”はある。横綱の昇進基準は原則、「2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」だ。
豊昇龍は先場所、千秋楽まで琴桜としのぎを削り、13勝2敗の優勝次点。優勝決定戦で敗れる「優勝同点」と比べてランクは落ちるものの、1月場所で琴桜と「ダブル昇進」の可能性は残っている。
とはいえ、琴桜と異なり来場所の昇進は最低でも優勝が最低条件の向きがある。過去には直前2場所で優勝がないまま横綱に昇進した者も少なくなかったのは確か。大鵬と「柏鵬時代」を築いた柏戸も、昇進直前2場所は優勝次点ですらない11勝4敗、優勝同点だった。
潮目が変わったのは1987年、現役横綱だった双羽黒の廃業だ。直前2場所どころか、一度も優勝経験がないまま昇進したが、かねて素行が問題視されていたところに、師匠と衝突を繰り返し、廃業に追い込まれた。
「横綱昇進の基準が現行の『2場所連続優勝、あるいは……』と定められたのは、双羽黒の廃業以降です。平成以降は直前2場所の両方かいずれかで優勝することが必須となった。それだけ双羽黒の一件は協会のトラウマになっている。豊昇龍は関脇時代に優勝を経験し、問題児というわけでもない。ただ、向こうっ気の強さは叔父さんの元横綱朝青龍譲り。協会の一部からは『土俵の頂点に立ったら叔父さんのようになるのでは……』と危惧する声があるのも事実。昇進するには基準クリアに加えて、素行や人間性も相当厳しくチェックされるでしょう」
協会にしてみれば、双羽黒の二の舞いも朝青龍の再来も勘弁、というわけだ。
◇ ◇ ◇
「横綱昇進」と言えば、先場所限りで引退した貴景勝は、過去に2場所連続で「優勝に準ずる成績、優勝」しながら横綱になれなかった。いったいなぜか。貴乃花の元弟子だからなのか。日本相撲協会・八角理事長を直撃すると、意外な答えが返ってきた。
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