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カプコン、東宝アニメ、ソニー…ゲーム&アニメの日本企業にサウジアラビアが熱視線

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月26日 9時26分

カプコン、東宝アニメ、ソニー…ゲーム&アニメの日本企業にサウジアラビアが熱視線

ムハンマド皇太子は日本文化大好き(サウジ王室提供・ゲッティ=共同)

 12月11日、国際サッカー連盟(FIFA)が、2030年W杯をスペイン・ポルトガル・モロッコの共催で、34年はサウジアラビアで開催することを決定した。サウジ開催に関しては、言論、LGBT、外国人労働者の人権問題などがあることから、さっそく国際人権団体から懸念の声が上がっているが、サウジが大会誘致に手を挙げたのは既定路線だ。同国の実質的リーダー、ムハンマド皇太子が16年に掲げた「サウジ・ビジョン2030」に沿うからだ。

 サウジ・ビジョンは①脱石油の成長戦略②雇用の創出③効率的な行政の3つからなり、サッカーは、①にある「文化・スポーツ・エンタメ活性化」を体現する。

「ムハンマド皇太子は日本文化好きのオタクとして有名で、ゲームやアニメで国を栄えさせることを狙っています。今年3月には日本でも、サウジにドラゴンボール・テーマパークができると話題になりました。これはサウジの公共投資基金(PIF)の子会社のキディヤ・インベストメント・カンパニー(QIC)が計画していて、パークはQICがリヤド近郊で建設を進めている大型レジャー都市『キディヤ・シティー』の一画を占めます」(証券会社社員)

■賞金総額6000万ドル! eスポーツW杯を開催

 キディヤ・シティー内には「ゲーミング&eスポーツ地区」も設けられ、人口の約3分の2がゲーム愛好者のサウジアラビアのゲームとeスポーツの中心地を目指す。地区でのeゲーム振興にも抜かりがなく、今年7月には賞金総額6000万ドルのeスポーツW杯がリヤドで開催された。こうなると「ビジョン2030」には日本の存在が欠かせない。ビジョンが掲げられるやムハンマド皇太子が16年に来日、「日・サウジ・ビジョン2030」を作成。翌17年にはサルマン国王も、国王としては実に46年ぶりに来日している。

 企業についてもドラゴンボール・テーマパークのカウンターパートは東映アニメーション、eスポーツW杯の競技種目ではカプコンの「ストリートファイター6」、バンダイナムコの「鉄拳8」が採用されている。また大会の主催団体とソニーはスポンサー契約を結んでいる。

 もっともPIFの名は日本の投資家の間では既に以前から有名で、特にやはり日本のゲーム会社の大株主として知られるが……。

「PIFは12月2日に任天堂株の保有比率を6%台から5%台に減らしたことが報告されている。PIFは10月にも同社株を買い増すとみられていたので、肩透かしをくらった投資家もいるでしょう」(同前)

 PIFは任天堂以外の国内ゲーム株でも、ネクソン、カプコン、コーエーテクモを保有。ゲーム株はアメリカ大統領選以後、浮き沈みの激しい半導体に比べ、軒並み上昇している。来年の株式市場はサウジ銘柄に注目だ。

(ジャーナリスト・横関寿寛)

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