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トム・クルーズ似のWHO船医が「愛しいハニー」と囁きカネを無心…1億円ロマンス詐欺の巧妙手口

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月27日 9時26分

トム・クルーズ似のWHO船医が「愛しいハニー」と囁きカネを無心…1億円ロマンス詐欺の巧妙手口

ロマンス詐欺の注意を呼びかけるイラスト(大阪府警のHPから)

「デビッド・スミス」を名乗る男はトム・クルーズに似たイケメンの写真を使い、資産家の高齢女性に「ヘルプミー 愛しいハニー」と囁いて恋心を抱かせ、約1億980万円をだまし取っていた。

 昨年9月、SNSに趣味のガーデニングの写真をアップしていた大阪府内に住む70代の女性に「あなたの花はすてきです。あなたの花を見ていると心が穏やかになります」というダイレクトメッセージが届いた。

 送り主のデビッドは「米ミシガン州在住の56歳で仕事はWHOの船医です。現在、黒海を航海しています。妻とは離婚し、15歳の娘は中東の国の学校に通っている」と自己紹介。

「以前、勤めていたカナダの会社から退職金をもらえるはずだったが、乗船中なので受け取れない。会社のサイトを送るからチャットを使って、代わりに受け取ってくれないか」と女性に依頼。直後、カナダの会社の関係者に扮した人物から「退職金は1000万円以上あるが、日本に現金を運ぶためには通関税が必要」と連絡があり、女性は約47万円を指定口座に振り込んだ。

 その後もデビッドは「航海中に海賊に襲われた。WHOは海賊から身代金を要求されることを恐れ、私たちの銀行口座を強制的に凍結した。娘に仕送りすることもできない」という口実で金を催促。

 さらにベルリンの医師をかたる男から、あわてた様子で「デビッドが交通事故に巻き込まれた」と電話があり、翌日、デビッド本人が「ベルリンは治療費が高くて払えない。助けてくれ、愛しいハニー」と援助を求めてきた。手術代、入院、リハビリ費用、ベルリンからミシガンまでの渡航費、タクシー代名目で金を要求。無心は1年以上続き、計103回に及んだ。

■本人はデビッドと交際していると思い込んでいた

「被害に遭った女性は英語が堪能で、直接、電話で会話することもあった。今年11月、女性が資産運用を任せている銀行を訪れ、投資の相談をした際、応対した行員が、資産が減っていることに気付いた。本人はデビッドと交際していると思い込んでいたため、『外国人を支援している』と主張したが、行員から『だまされています』と諭され、ようやく詐欺に遭ったと認識した。デビッドに夢中になり、判断力を失っていた。女性は無職ですが、かなりの資産家です。資産は減ったが、全財産を取られたわけではない。詐欺グループは女性の資産状況をあらかじめ知っていて、アプローチしたのかもしれません」(捜査事情通)

 大阪府内ではSNSを使った「投資・ロマンス詐欺」が昨年の364件(11月末時点)から今年は936件(同)と急増。5~10月には府内の60代の女性医師が、スペイン人を名乗る男から投資話を持ち掛けられ、1億6500万円相当の暗号資産をだまし取られた。男は女医を「妻」と呼び、自分のことを「夫」と呼ばせて、すべてSNSでやりとりしていた。

「ハニー」や「ダーリン」といった見知らぬ人物からのダイレクトメッセージは、注意が必要だ。

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