大谷「DH独占」がドジャース故障者続出の遠因なだけに…指揮官が頭を抱える先が見えない守備解禁
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月27日 9時26分
大谷翔平とロバーツ監督(C)共同通信社
来季のドジャースは世界一の代償を負わされそうだ。
今季終盤、満身創痍の状態で出場し続け、ワールドシリーズMVPに選出されたフリーマン一塁手が今月上旬、負傷していた右足首を手術。2月のキャンプ、3月の日本開幕戦には間に合う見込みだが、来年9月で36歳になるベテランだけに無理はさせられない。
大谷、ベッツとともにMVPトリオを形成し、欠かせない存在だけに故障明けの来季は開幕からフル稼働を強いるのは酷だ。
多くの球団では主力選手の負担を軽減するため、定期的にDHで起用しているが、今季のドジャースは大谷が独占。それが故障者続出の遠因となったのも確かだ。
ベッツ、フリーマンらの主力の故障を防ぐため、ロバーツ監督はかねて大谷を一塁や外野で起用するプランを温めている。
実際、大谷の加入が決まった直後、ロバーツ監督は左翼で起用する構想を明かし、開幕直後には日米メディアの取材にこう答えている。
「今は投球プログラムをこなしている。9月に守備に就けるのであれば、誰かを(DHに入れて)休ませる。ただ、まだその段階ではない。(投球プログラムが進行していったら)大事なのは25年に投球できると自信を持てることだ。今後、何をやろうと、それに影響すべきではない。9月に何か変化があればそこで話し合う」
今季の大谷はメジャー史上初の「50-50」(54本塁打、59盗塁)の偉業達成がかかっていたこともあり、結局最後まで守備に就く機会はなかった。
ワールドシリーズでは左肩脱臼による損傷した関節唇の修復手術を強いられたことで、当初予定していた来年3月のカブスとの日本開幕シリーズでの投手復帰は先送りとなった。
フリードマン編成本部長は今月12日(日本時間)、地元放送局スポーツネットLAのインタビューに投手として復帰させる時期について「慎重にゆっくりというわけではないが、すごくアグレッシブにしようとも考えていない。スローダウンすることは考えていないが、まだ今年は投球プログラムを先まで進めていなかったので、復帰までにやらなければならないことがある。そのため具体的な時期はまだ見通せていない」と慎重な姿勢を崩さなかった。
ドジャースは球団史上初のワールドシリーズ連覇がかかるだけに、フリードマン編成本部長、ゴームズGMとも、ポストシーズンで二刀流で起用する方針を明かす一方、来季は二刀流復帰に向けたリハビリが続く。あくまで投手としての復帰が第一である以上、大谷を守備で起用する余裕はないだろう。
来季も大谷がDHを独占することになれば、またぞろ、ロバーツ監督は主力選手の起用に悩まされそうだ。
◇ ◇ ◇
ところで、いまや本場米国でメジャーリーグの顔となった大谷だが、2028年ロス五輪に本人は乗り気でも「出場できない可能性」が濃厚だという。いったいなぜか。どうして大谷は大舞台に立てないのか。その「3つの理由」とは。
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