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お酒を飲むならしっかり「ビタミンB1」を摂取したい【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月28日 9時26分

お酒を飲むならしっかり「ビタミンB1」を摂取したい【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

ビールに枝豆は理にかなっている(C)日刊ゲンダイ

【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

 年末年始のこの時期は、普段よりお酒を飲む機会も多くなります。もちろん、体質的にお酒がまったく飲めないという方もいらっしゃるでしょうし、中にはお酒が大好きでほぼ毎日のように飲んでいるという方もいらっしゃるかと思います。今回はお酒に含まれる「アルコール」と「ビタミンB1」との関係性についてお話しします。もしかしたらお酒との付き合い方がちょっと上手になるかもしれないですよ。

 当たり前の話ですが、お酒にはアルコール(エタノール)が含まれていて、飲むと人は酔うことができます。アルコールは体内で代謝されて体の外に排泄されるわけですが、どこで代謝されるかご存じでしょうか。おそらく、多くの方が肝臓で代謝されると思っているはずで、それは正解です。アルコールが肝臓で代謝されると、アセトアルデヒドになり、さらに代謝を受けて酢酸になり、最終的に二酸化炭素と水になって排泄されます。アセトアルデヒドは毒性が強く、お酒を飲み過ぎたときに起こる二日酔いの原因になります。

 ところが、アルコールをたくさん飲みすぎると前述の経路だけでは代謝しきれなくなり、ミクロゾームエタノール酸化系(MEOS系)という経路でもアルコールが代謝されるようになります。このMEOS系でアルコールが代謝される際に、ビタミンB1が利用されます。そのため、慢性アルコール中毒といわれるほどの大酒家では、体内のビタミンB1が減少していることがあるのです。

 ビタミンB1は糖質の代謝でも重要な役割を担っていて、ビタミンB1が欠乏すると糖質がうまく代謝できず乳酸になってしまい、最悪の場合、乳酸アシドーシスという状態に陥って死に至るケースもあります。そのため、大量飲酒が原因で入院した場合、クスリとしてビタミンB1が注射で投与されます。

 そこまでではないにしろ、お酒好きの人はビタミンB1をしっかり摂取したほうがよいでしょう。ビタミンB1を多く含む食品としては、豚肉やナッツ類、大豆などがあります。居酒屋やバーなどではおつまみとして枝豆やナッツ類がよく出てきますし、お酒とよく合いますよね。意識的なのかはわかりませんが、アルコールの代謝でビタミンB1が使われることをじつは体がわかっていて、自然とビタミンB1が含まれる食品をたくさん食べるようになっているのかもしれません。

 ただ、ビタミンB1をしっかり摂取していればどれだけお酒を飲んでもよいというわけではありませんし、肝臓に負担がかかることには違いありません。体のことを考えるのであれば、お酒はほどほどにしておくに越したことはありません。私も気をつけようと思います。

(東敬一朗/石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師)

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