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体調不良の原因が不眠にあるとは…土井貴仁さん不眠症との闘いを語る

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月30日 9時26分

体調不良の原因が不眠にあるとは…土井貴仁さん不眠症との闘いを語る

土井貴仁さん(C)日刊ゲンダイ

【独白 愉快な“病人”たち】

 土井貴仁さん(元不眠症当事者/34歳)
  =不眠症

  ◇  ◇  ◇

 5~6歳の頃から、兄に比べて寝つきが悪いことや、幼稚園のお泊まり会で眠りづらいことで、「寝るのが苦手なんだな」という自覚はありました。そこから約20年間、不眠症でつらい思いをしたのですが、今はもう普通の生活ができ、睡眠薬も卒業しました。

 今思えば、一般の人よりちょっと「夜型」の傾向があるだけなのだと思います。自分の睡眠のタイプと世の中のリズムが合わなかっただけ。

 でも当時は、合わせられない自分が悪いのだと思ってさらに悪化させ、不適応感を募らせて自信をなくす……という悪循環でした。

 不眠症の中にも種類があり、自分の場合はベッドに入ってから眠るまでに3~4時間もかかる入眠障害でした。寝入ってしまえばよく眠れるのに、なかなか寝つけないから朝起きられない。学校に行く日は常に寝不足だったわけです。

 当然、体が弱くて休みがちな小学生時代でした。親は毎月のように病院へ連れて行ってくれましたが、体調不良の原因が「不眠」にあるとは気づいていませんでした。

 中学では野球部に入り、休みづらい環境の中でがんばって通学し、夏休みも練習し続けました。でもお盆休みの後、体が動かなくなり、ズルズル学校を休むことに……。血液検査でも脳のMRI検査でも異常が見つからず、「じゃあ心の問題だろう」とカウンセリングを受けたりもしましたが、不眠症とは結び付きませんでした。

 自分の中で、眠れないこととさまざまな問題が結び付いたのは高校1年生のときでした。無理に通学するのをやめて中退を選び、独学で高校卒業程度認定試験に合格しました。でも、不眠が原因で大学受験を失敗したときに「次の受験は乗り切りたい」と自ら心療内科を受診しました。睡眠薬を処方してもらい、3~4時間かかっていた入眠が2~3時間に短縮したこともあって、無事合格できました。

 大学時代は、授業の時間を調整することで問題のない生活が送れましたが、問題は社会人になってからです。

 入社3~4カ月ほどで周りのリズムについていけなくなりました。不安と焦りで、睡眠薬を増やしましたが眠れません。夏に睡眠時間が2時間になり、上司に相談して休職し、お盆休みを利用していったん実家へ帰りました。

■認知行動療法で眠れる自信がついた

 これまでの過程で病院不信になっていた自分は、新たに別の病院を探すことはせず、不眠症の本を読み漁りました。そこで「不眠症の認知行動療法」があることを知ったのです。認知行動療法はさまざまな分野で有効であると以前から知っていたので、不眠症に対応している認知行動療法があるなら受けてもいいかもと思いました。

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