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糖尿病専門医が警告…「こたつむり生活」が招く高血糖と脳・心筋梗塞【正月は体に悪い】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月30日 9時26分

 欧米では糖尿病患者の40~50%の直接死因が心筋梗塞であることがわかっていて、日本でも心疾患による死亡率は年々増加している。逆に2型糖尿病の人はHbA1cが1%低下すると、心筋梗塞の発症リスクが14%低下することが報告されている。

「こたつむり生活で気になるのは、長時間座りっぱなしになることです。その影響はとくに代謝や循環器系に現れます。座った状態が続くと下半身の筋肉活動が著しく低下し、下肢から上肢に血液が流れにくいなど血流が滞ります。これにより血糖値を下げるためのインスリンの効率が悪化し、糖尿病のリスクが増大する可能性があります。当然、この状態が続くと血栓ができやすくなり、エコノミー症候群などを起こすことにもつながりかねません」

 では、どのような正月を過ごすべきなのか?

「ひとつのやり方として、昔ながらの正月行事に習うのも手かもしれません」

 例えば、元日は朝方に窓を開けて空気を入れ替え、“若水”で家族が口をすすいだ後に食事を取る。家族で今年の抱負などを語り合った後に、地元の神社等に初詣に出かける。あるいは元旦から七草の日までに七福神を巡るのも良いかもしれない。

「百人一首やかるた遊びだけでなく、トランプや運動系ゲームを家族で楽しむのも良いでしょう。要はお正月を『寝正月』にしないことです。休む=何もしない、ではなく、普段の仕事はしなくても別のことで体を動かすように心がけるのが良いのではないでしょうか」

 研究によれば、30分ごとに1~2分間立ち上がり、軽いストレッチやその場での歩行を行うだけでも血流改善の効果があるとの報告もある。

「疲労」とは過度の肉体的、精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体活動の減退状態を指す。それは思考能力、刺激に対する反応、注意力などの低下や眼のかすみ、頭痛、肩こり、腰痛などを生じる。こうした症状のある人にとっては、何もしない休みも必要だろう。しかし、正月にこたつむり生活を送るのは必ずしもそういう人ばかりではないはずだ。普段は運動不足という人は、正月休みこそ体を動かしてはどうだろう。

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