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ライオネス飛鳥×長与千種「クラッシュ・ギャルズ」“還暦”対談 80年代女子プロレスブームの再来を語り尽くす

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月1日 9時26分

千種 悪い人じゃないんだよ! 悪い人を楽しんでたの。

「自分は全女を信じてなかったから(笑)」

 ──強さと人気の秘訣に2人の結束力もあった。

千種 相方は1を言ったら100わかる。あの頃は、アイコンタクトで全部できてた。

飛鳥 そうだね。自分たちはお金は二の次、三の次で、毎日超満員の会場で試合をできることがありがたかったし、その中で何を見せていこうかを考えて、動いてることが楽しかった。芸能活動が増えて耐えられない時もあったけど、いい青春時代だった。

千種 自分は全女を信じてなかったから(笑)、いつ使われなくなるのかなって心配だった。ウチらは新たな女子プロの流れをつくろうとしたから、今アーカイブすると、先輩たちも嫌だったろうなと思うよ。

飛鳥 そうだよね。ジャガー(横田)さんから、「アンタたち、いつか人を殺す」って言われたもん。

千種 でも、当時はそれぐらいやんないと、チャンスを掴めなかったから。

 ──お互い還暦になり思うことは?

飛鳥 “まだ60”という感覚でいたいなって。読者の方も、会社員だったり、社長だったり、いろんな立場にあるだろうけど、「まだまだ」って思って欲しい。気持ちひとつだと思うんだよ。もう無理って言ってしまえば無理だろうし、まだできると思ったらできる。この前ね、マンション内で引っ越したの。もう借りられなくなるかと心配したら「78歳まで借りられますよ」って言われて「そうなんだ!」って前向きにとらえられた自分がいた。

千種 田舎に来れば、一軒家を買えちゃうよ! それにしても、60過ぎて相方がいることは何より。全部わかってもらえているという絶対的な信頼と安心感がある。

飛鳥 お互い一国の主だから、共感できるところもあるし。

千種 よく知ってくれてるんだよ、自分のダメなところを。それも全部ひっくるめて、話せるようになったね。

飛鳥 揃って60になったからこそ弱音も吐けるし、励ましもできる。いい意味で性格が真逆だから、インスパイアしあえるのかな。

千種 この前相談したとき「ウチらは本当に死ぬぐらい大変だったけど、高い位置に上って下をちゃんと見てたんだ。何があってもかましてやれ」って言われて気持ちが上向いた。

飛鳥 常に攻めていく千種であって欲しい。試合の前に手を握って「できる! ウチらは絶対にできる!」って言ってからリングに向かったみたいにね。攻めていこうよ。ウチらスゲぇんだからさ、みたいな。

2025年はデビュー45周年

 ──2025年でデビュー45周年を迎える。

飛鳥 現役から離れてもう20年経っているのに、まだ姿が見たいって思ってくれてるのはすごくうれしい。

千種 懐かしいって思う方も、初めて見た方も、何かしら心が動いたんだね。

飛鳥 撮影で千種と後楽園ホールのリングに上がったときの、エキストラの反応がすごかった!

千種 自分1人じゃクラッシュ・ギャルズに勝てないって改めて思った瞬間だった。

飛鳥 2人揃った時にクラッシュ・ギャルズという大きな産物になるんだよ。25年はデビュー45周年だから、何か形にしたいね。

千種 イベントやろう!やります!

(聞き手=伊藤雅奈子)

▽クラッシュ・ギャルズ 1983年に、ライオネス飛鳥(61)と長与千種(60)で結成。80年代に発売された「炎の聖書」ほか全シングルが復活配信中。

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