糖質だらけのおせち料理や飲み物にどう向き合うか?【正月は体に悪い】#3
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月1日 9時26分
50~64歳女性(1食当たりの糖質量75~92g)は、栗きんとん、伊達巻(2切れ)、黒豆(20g)、切り餅1個で75g強となる。お酒やソフトドリンクも飲むという場合は昆布巻きや田作りを控えるというやり方もある。
「これはあくまでも目安で、健康な人は神経質になる必要はありません。多めに糖質を摂っても代謝され血糖値は戻ります。注意したいのは一度血糖コントロールを乱すと元に戻りにくい糖尿病やその予備軍の人です。こういう人は食べる時間も注意しましょう。特に夜間に多くの糖質を摂ると、血糖値が高い状態が続きやすく、結果的に脂肪の蓄積や睡眠の質の低下につながります。気をつけましょう」
体は昼間に活動し、夜間に休息するよう設計されている。この体内リズムを支える「体内時計」は、食事のタイミングにも影響を受ける。
「夜間に糖質を多く摂ると、血糖値が急上昇し、インスリンの分泌が活発になります。その結果、脂肪が蓄積しやすくなります。また、夜に糖質を摂りすぎると、睡眠の質が低下することも分かっています。睡眠中は代謝が低下するため、血糖値がなかなか下がらず、結果として体の回復機能にも悪影響を及ぼす可能性があります」
おせち料理を楽しむ際には、「いつ、なにを食べるか」を意識することも重要だという。
「甘みの強い黒豆や栗きんとんは、朝や昼のエネルギー補給に適しています。一方、夜に食べる場合は少量にとどめ、野菜などと一緒に摂ることで血糖値の上昇を緩やかにすることができます。また、お正月の間に体重が増えてしまう理由のひとつに、糖質過多があります。糖質の摂りすぎは血糖値の急激な変化を招き、疲労感や集中力の低下を引き起こします。この状態を『糖質疲労』ということがあります。いくら朝と昼に食べて良いといえども、食べ過ぎに気をつけることが大切。大皿料理を小皿に取り分けながら食べるのではなく、1回分の喫食量を盛り付けてしまった後に召し上がるのも、食べ過ぎ防止のコツになります」
糖質が急に吸収されないよう、食べ合わせなどにも気を配りたい。
「例えば、餅を食べる際には一度にたくさん食べず、野菜たっぷりの汁物と組み合わせてバランスを取るのがおすすめです。また、おせち料理を食べるときは、砂糖の量を控えた自家製のものを取り入れたり、市販の糖質カットのおせち料理を利用するのもひとつの方法です。大切なのは、何をどれだけ、そしていつ食べるかを意識することです」
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