春風亭一花 女性性を超越した「引き算の美学」【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月3日 9時26分
春風亭一花(提供写真)
【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
春風亭一花
イキのいい二つ目がひしめきあう落語界。なかでも飛びっきりの5人を演芸評論家の渡邉寧久氏が厳選。聞いて損なし! 見て感激!未来の大名人たちよ!
◇ ◇ ◇
“女優”という肩書が“俳優”と表記されることが増えてきた近年。かつてのカテゴリーの“女流落語家”という呼び方も、急激に鳴りを潜めている。もはや不要だ。
そんな現代で、女性性を軽々と超越した落語家として存在感を輝かせている若手が春風亭一花(37)。ベルベットのような滑らかな声、聞き手に決して押し付けないしゃべり口調が強力な持ち味だ。
師匠・春風亭一朝(74)ゆずりの、ほどのよい落語。ついつい目の前の笑いを取りに行きたがる加算の芸が目立つ中で、あえて引き算の美学を模索し、都度提示する。
2024年、NHK新人落語大賞では、東西の参加者130人の中を勝ち上がり6人のファイナリストとして本選に進んだ。ネタは「駆け込み寺」。大師匠の5代目春風亭柳朝師匠が得意とした噺で、縁切り寺を舞台にした噺。実生活の夫で、2025年秋に真打ち昇進が決まっている金原亭馬久(39)と一緒に、春風亭柳枝(43)の元へ稽古へ出向いたという。ちょっとしゃれが利いている(噺はハッピーエンドです)。
NHK新人落語大賞では戴冠とならなかったが、審査員5人のうち、落語家の桂文珍と柳家権太楼が10点満点をつけていたことが、実力のほどを物語る。
2014年に寄席で前座修業を始めて丸10年が過ぎた。まったく口やかましくない師匠一朝の唯一の教えは「これが私だっていう噺を見つけなさい」。「駆け込み寺」や「厩火事」「粗忽の釘」などが一花の血肉になりつつある。
(渡邉寧久/演芸評論家・エンタメライター)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
三遊亭ごはんつぶは新作落語の世界を刺激する【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月4日 9時26分
-
古今亭佑輔は「悪女の佑輔」とは裏腹の“落語マッチョ”【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月4日 9時26分
-
立川吉笑は「出る杭」 2025年6月に真打ち昇進【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月4日 9時26分
-
東大院卒の古今亭菊正は入門志願で師匠に「よしたら」と言われた【令和7年巳年 落語界気鋭の二つ目】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月3日 9時26分
-
立川談志、古今亭志ん朝、春風亭昇太、春風亭一之輔……人気落語家24人の“本音トーク”が満載! 創刊50年“日本で唯一”の演芸専門誌「東京かわら版」のインタビューが待望の書籍化
PR TIMES / 2024年12月21日 14時40分
ランキング
-
1香取慎吾「案外、ワイワイしてますよ」 意外なプライベート告白に共演者驚き「芸能界ではどうにかして…」
スポニチアネックス / 2025年1月5日 9時42分
-
2小芝風花 大親友女優との「毎年恒例の愛始め」仲良しSにファン「最高」「眩しい」 昨年末事務所退所
スポニチアネックス / 2025年1月5日 8時43分
-
3NHK大河ドラマで江戸の町民が主人公は初めて 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は賑やかになりそう
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月5日 9時26分
-
4令和ロマン 大注目若手俳優の告白に衝撃 高比良「えっ!?劇場に!?」松井「いるんすか!?」
スポニチアネックス / 2025年1月5日 7時2分
-
5中居正広、ラジオ新年1回目も通常通り放送「どんな1年になるんだろうな、何やるんでしょうね」
日刊スポーツ / 2025年1月4日 23時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください