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年明けスタートダッシュを決める胃腸を整える食材と食べ方…七草粥は理想的【正月は体に悪い】#5

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月3日 9時26分

年明けスタートダッシュを決める胃腸を整える食材と食べ方…七草粥は理想的【正月は体に悪い】#5

七草粥は理想的な一品

【正月は体に悪い】#5

 この時期は年末年始のご馳走が続き、胃腸の疲れを感じる人が多い。胃もたれや消化不良を防ぎ、腸内環境を整えるために、食物繊維が豊富な野菜を多く摂ろうとする人も少なくない。しかし、食物繊維は「胃腸に良い」という一方で、「消化されにくい」という話もある。この矛盾に戸惑う人もいるだろう。会社や学校でのスタートダッシュを決めるために、どのような食材や食べ方を選ぶべきか。愛国学園短期大学准教授の古谷彰子氏に話を聞いた。

「食物繊維が消化されにくいのは事実です。しかし、消化されないからこそ腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える効果が期待できます。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ異なる役割を持っています。適切な種類を選ぶことで、胃腸への負担を減らしながら健康を促進できます」

 水溶性食物繊維は腸内でゲル状になり、腸の働きを穏やかにサポートする。

「オートミールやリンゴ、海藻などがその例です。また、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える役割も果たします。一方、不溶性食物繊維は腸の動きを活発にし、便秘解消に役立ちますが、胃腸が弱っているときには食べすぎに注意が必要です。ゴボウや豆類、玄米などが代表的な食品です」

 胃腸が疲れているときは、消化の良い水溶性食物繊維を多く含む食品を優先し、調理方法を工夫することが重要だという。

「例えば、大根やキャベツなどの野菜をスープや煮物にして柔らかく調理することで、胃腸に優しい食事になります。また、発酵食品であるヨーグルトや味噌、納豆を取り入れることで、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善にも役立つことがわかっています」

 食べるタイミングにも注意が必要だ。

「糖質を含む食品も胃腸を整える上で重要ですが、夜間に摂取すると胃腸に余計な負担をかける可能性があります。夜は代謝が低下し、糖質の消化が滞りやすくなるため、夜の食事には野菜スープやお粥など、消化に優しいメニューを取り入れると良いでしょう。朝や昼にはエネルギー補給として適量の糖質を摂ることで、効率よく消化され、体への負担を軽減できます」

 胃腸を労わる食事として、日本の伝統的な「七草粥」は理想的な一品だ。七草粥は1月7日に食べる風習があり、セリ、ナズナ、ゴギョウなどの七種の野草が入ったシンプルな料理だ。

「七草粥は消化に優れ、胃腸に負担をかけずに栄養を摂取できる非常にバランスの良い食事です。また、七草にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、腸内環境を整える働きも期待できます。胃腸を整えるために、七草粥のようなシンプルで消化しやすい料理を取り入れるのは非常におすすめです。冷たい飲み物を控え、温かいお茶やスープを取り入れることも胃腸への配慮になります。また、規則正しい食事時間を守り、少量ずつ食べることも胃腸への負担軽減に効果的です」

 七草粥は年末年始の暴飲暴食で疲れた胃腸を休ませるだけでなく、日本の伝統文化に触れることで心身ともにリフレッシュする機会にもなる。七草粥を取り入れ、新しい一年を健康的にスタートさせてみてはどうだろうか?

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