大関・琴桜が語り尽くす!綱とり・技・駆け引き・先代…「相手の良さを潰して勝負どころを見極めないと…」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月4日 9時26分
そして、「何がその時の自分の良い部分かって言いすぎると、(相手に)バレるんで。それは言いたくないです」と笑い、さらにこう続ける。
「相撲は対戦競技。流れもあるし、内容が伴わなくても白星につながることだってあります。そうした相撲を自分でどう捉えるか。その時その時、自分のどの部分で勝負できるか。ただ、漠然と相撲を取るだけじゃなくて、自分の勝負どころを見極める。相手の良さを潰して、勝負できるところで勝負しなければいけない。相手が自分以上の良い部分を出してきたら、勝てるものだって勝てませんからね。そうしたことができなければ、上位では(相撲を)取れませんよ」
祖父の教え「鬼になれ」
琴桜といえば、その名を継承した先代を思い出すファンも多いだろう。怒涛の突き押しで「猛牛」と呼ばれ、1973年に横綱昇進。5場所で優勝し、引退後は佐渡ケ嶽親方として、部屋を運営。大関では琴風、琴欧洲(現鳴戸親方)、琴奨菊(現秀ノ山親方)、関脇では琴ケ梅、琴富士、琴錦、後に娘婿となる琴ノ若らを育てた名伯楽として知られた。
当代の琴桜は先場所優勝インタビューで、「優勝しないと、そろそろ先代に怒られる」と話していた。
「(先代に)追いつくためには、まず(賜杯)は必要なものですから。先代の相撲を見たこと? もちろん、映像などであります。横綱まで上がっていますから、やはり、精神力も強かったのだと思います」
なんでも先代は身体能力に優れ、現役時代はバク宙もできたというが、「見たことはありませんが、バク宙ができたということは聞いたことがあります」。
幼少期から先代に相撲を叩き込まれ、小学生時代には大関に昇進したら祖父の名を継ぐことを約束した。そんな祖父は孫に「鬼になれ」と教えていたという。
「相撲に関しては厳しかったですね……。相撲を離れたら? それはどこも(祖父と孫との関係は)同じだと思いますよ。厳しいだけではなく、可愛がってもくれましたから」
そんな琴桜に、2025年の意気込みを聞いた。
「自分らしく、いい相撲やお客さんに喜んでもらえる勝負をしていくしかないので応援していただけたらと思っています」
綱とりのかかる1月場所は12日に開幕する。
(構成=阿川大/日刊ゲンダイ)
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