NHK大河ドラマで江戸の町民が主人公は初めて 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は賑やかになりそう
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月5日 9時26分
横浜流星(C)日刊ゲンダイ
今年は松も取れぬうちにNHK大河ドラマが始まる。横浜流星主演で「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。1700年代後半の江戸中期、浮世絵師の喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽、戯作者・読本作者の山東京伝、十返舎一九、曲亭馬琴ら錚々たる才能を発掘して、次々とベストセラーを放った出版プロデューサー・蔦屋重三郎の洒落と反骨の生涯を描く。
「江戸の町人が主人公の大河ドラマは初めてですが、出てくるのは歴史の教科書でよく知っている名前だし、ドラマの舞台も吉原や日本橋などおなじみ。鬼平こと長谷川平蔵、日本のダビンチと呼ばれる平賀源内、老中の田沼意次や松平定信らも絡み、にぎやかになりそうです。戦のなかった時代ですが、天明飢饉、浅間山噴火、京都御所焼失の大火など災害が相次ぎ、各地で一揆が頻発して、江戸でも打ちこわしが起こります。多彩な登場人物とスペクタクルを、手だれの脚本家・森下佳子さんが1年間のドラマにどう練り上げるか、期待しちゃいますね」(テレビ情報誌編集デスク)
江戸庶民の大河は初めてといっても、NHKはBS時代劇で下町を舞台にしたドラマを得意にしていて、傑作も多い。年末スペシャルで放送された「大富豪同心」もそうだが、「小吉の女房」「善人長屋」「ゆうれい、貸します」などで、町人たちを人情味たっぷりに、時に滑稽に描いた。大河もこのノリで楽しませてほしい。
■最大の見せ場は「写楽」の配役か
ところで、「べらぼう」には横浜流星のほかに、“隠れ主役”が2人いる。一人は小芝風花が演じる花魁・瀬川(花の井)。ともに吉原で育った重三郎の幼馴染みで、史実に残る才媛だが、悪徳金貸しに1400両(約1億4000万円)で身請けされ、波乱の人生を送る。重三郎の相談に乗ったり、一緒に吉原を再建したりと、ドラマの狂言回しだ。
もう一人は写楽。蔦重が写楽と組んで、江戸の暮らしや文化を締め付ける松平定信に挑む、というのが物語のクライマックスのようだが、キャストはまだ発表になっていない。
「重要な役なので、引っ張って話題づくりを狙っているのでしょう。そもそも、写楽は何者だったのか正体がわかっていませんから、脚本で森下さんがどんなサプライズ解釈をするか。それによって、演じる俳優も決まってきます。実は女性だったというのだってありですよ」(前出の編集デスク)
去年の「光る君へ」もそうだったが、“戦国大河”からの転換ということかな。
(コラムニスト・海原かみな)
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