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星野源「地獄でなぜ悪い」楽曲指定からの変更でNHK紅白に募る不信感…“来年は出場辞退”の懸念まで浮上

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月5日 9時26分

星野源「地獄でなぜ悪い」楽曲指定からの変更でNHK紅白に募る不信感…“来年は出場辞退”の懸念まで浮上

星野源(C)日刊ゲンダイ

 昨年の大晦日に生放送された「第75回NHK紅白歌合戦」。2部制になった1989年以降、歴代最低視聴率を更新した一昨年と比べると、0.8ポイント視聴率が上昇するなど、健闘したものの、視聴者の間に緊張が走ったのが、10回目の出場となった星野源(43)の歌唱時だった。

 先月23日、出場者の曲目発表時は、紅白演出担当者からの熱いオファーを受け、2013年にリリースした「地獄でなぜ悪い」の弾き語りが星野の歌唱曲となることが明らかにされた。ところが、その後、22年4月に性加害疑惑が報じられた映画監督・園子温氏の同名映画の主題歌であったことなどから、NHKに批判が殺到。性加害疑惑については、24年に報じた出版社と園氏の和解が成立しているものの、同楽曲を紅白で歌唱することが性被害者への二次加害になる可能性があるとし、同月26日、星野の紅白歌唱曲が「ばらばら」に変更された。

 星野は公式サイトで歌唱曲の変更について、12年に自身がくも膜下出血で倒れ、その闘病期に病院で作詞した“星野源の歌”であることを強調しながらも、二次加害になる可能性を否定しきれないとし、「あらゆる性加害行為を容認しません」と楽曲変更への真摯な思いを掲載している。

 そんな中で迎えた紅白出演では、星野は終始硬い表情で、歌唱前の15秒の沈黙を経た後、意を決したように弾き語りを始めた。

 さらに「本物はあなた わたしは偽物」となっていた本来の歌詞から「本物はあなた わたしも本物」とカメラを見据え、変更した歌詞を歌った星野の姿に対し、視聴者からは《来年はもしオファーが来ても出ない気がする》《来年、紅白出なくなるのでは?て心配》と、次回以降は紅白出場を辞退するのでは? という懸念の声も多く上がっていた。

「過去に紅白歌合戦に出演した際は、元気よく司会者の呼びかけにも応え、他のアーティストが歌唱している際も笑顔を見せていた印象が強かったこともあり、今回の星野さんの歌詞変更や歌唱時のピリついた空気感に“何らかの意図”を感じた視聴者が多かったようです。『世界はひとつじゃない』という歌詞で始まる『ばらばら』に変更したことも含め、アーティストとしての表現の自由を奪われたことに対する、静かな抗議や怒りだと感じずにはいられない歌唱でした」(音楽業界関係者)

 そもそもNHK側が、「地獄でなぜ悪い」を星野側へ熱烈オファーしたことが今回の一件の発端であり、星野はNHKに振り回されたとみる向きが強い。

「NHK側が『地獄でなぜ悪い』を指定したことで、それを紅白で歌唱すれば性加害に加担するかのような理不尽な批判が向き、星野さん側がコメントを出さなくてはならない形になり、結果としてはNHKが一部の批判に屈し、星野さんを守らなかったという点においては、やはりファンも含めてNHKに対しては不信感が募っている印象です」(前出の音楽業界関係者)

 14年5月に出版したエッセー本「蘇える変態」で、星野は生死の境をさまよって生まれた「地獄でなぜ悪い」について率直につづっており、同楽曲に救われた人も多い。星野が魂を込めた楽曲に、結果的にいらぬケチがつくはめになってしまった。その点においてNHKの責任は重い。

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