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石破首相が“安倍派切り”に打って出るのか…裏金問題は年明け国会も継続、「金庫番」招致で与野党攻防

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月6日 16時3分

石破首相が“安倍派切り”に打って出るのか…裏金問題は年明け国会も継続、「金庫番」招致で与野党攻防

新年早々頭が痛い…(C)日刊ゲンダイ

 石破自民にとっては、不吉な年明けだ。

 24日召集の通常国会に向けて、与野党の攻防が激化。最大のテーマは依然として裏金問題だ。野党が巨額の裏金づくりに手を染めた旧安倍派の“金庫番”の国会招致を求めているのに対し、自民党は消極姿勢。ただ、少数与党下で、自民の思惑通りには進みそうにない。年末年始に東京・紀尾井町のホテルニューオータニに引きこもっていた石破首相は、頭を悩ませていたに違いない。

「野党は衆院予算委員会に、旧安倍派の会計責任者・松本淳一郎氏の参考人招致を要求。招致は全会一致が慣例ですが、与野党で意見集約できない場合、委員長判断による多数決も認められる。委員総数50人のうち野党議員は26人で、委員長は立憲民主党の安住淳氏です。彼は昨年末、『年明けに一定の判断をする』と発言。多数決となり、松本氏招致が決まる可能性が高まっています」(ある野党議員)

 予算委の野党議員の中には、与党寄りの国民民主党や日本維新の会に所属する議員もいる。しかし、松本氏招致に反対するメンバーはいないという。「反対すれば裏金自民に手を貸したと受け止められかねない」(同前)からだ。

 それどころか、野党議員の間では「松本氏招致を通常国会の予算案審議入りの条件にすべき」との強硬論も浮上。予算案を“人質”に取られれば、与党は大ピンチだ。年度内成立と引き換えに石破首相の退陣が問われかねない。そんな事態を避けるため、「石破官邸は松本氏招致を容認するのでは」(官邸事情通)とみられているのだ。

松本氏にゲロさせれば「みそぎ」になり得る

「松本氏はすでに政治資金規正法違反で有罪が確定。参考人招致が実現した場合、焦点となるのは旧安倍派幹部との証言の食い違いです。ポイントは、パー券収入の還流が一度は中止されたのに、後に継続が決まった経緯。旧安倍派幹部は政治倫理審査会で『知らぬ存ぜぬ』を繰り返しましたが、松本氏は公判で『ある幹部から還流継続を要望された』との趣旨の発言をした。野党議員の追及で、松本氏が継続を望んだ幹部の実名を明かせば一大事ですが、あくまで旧安倍派の問題でしかありません。先の衆院選で大量落選し、還流継続の経緯を証言した現職の元幹部は事務総長経験者の西村康稔、世耕弘成両氏しかいない。彼らが炎上しても石破総理本人は無関係。総理はむしろ、松本氏にゲロさせれば『みそぎ』にすらなり得る、と考えているフシがある」(同前)

 石破首相は「安倍派切り」に打って出る可能性があるわけだが、事が簡単に進むかは見通せない。

■森元首相への「飛び火」も

「松本氏は公判で検察側から『(虚偽記入を)派閥幹部にやめようと言ったか』と問われ『今の幹部ではなく、昔の幹部に何度か話したことはある』と証言。参考人招致されれば『昔の幹部とは誰なのか』と問われるに違いない。下手をすれば、派閥会長を務めた森元首相にまで“飛び火”する展開もあり得る。リスクの方が大きいのではないか」(自民党関係者)

 もはや、打つ手なしか。新年早々、石破首相は立ち往生必至だ。

  ◇  ◇  ◇

 世界が注目するトランプ米次期大統領の動向。石破首相は結局、就任式の前には会談を行わず、2月以降の訪米で再調整の方向だというが、就任直後のトランプ氏が日本に構っていられるのか。●関連記事『【もっと読む】先が思いやられる石破外交…トランプ大統領就任前には訪米せず、会談先送りの吉凶』で詳報する。

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