【箱根駅伝】「予選会組」からのシード入りを阻む「高い壁」の正体…今大会は10組中たった2校だけ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月7日 9時26分
独走する中大・吉居駿恭(代表撮影)
青学大の連覇で幕を閉じた第101回箱根駅伝。今年も予選会から出場した大学は苦戦を強いられ、10位以内に入ってシード権を獲得したのは10校のうち2校だけだった。
「予選会6位で本戦5位と健闘した中大は昨年、大会直前に部内で風邪がはやり、13位でシード権を逃した。そのアクシデントがなければ、元々優勝も狙える伝統ある実力校です。今年はやや力は劣るものの吉居駿恭(3年)を筆頭に1万メートル27分台の選手が3人おり、1、2年生も粘りの走りを見せた。予選会8位で2年ぶりに箱根に戻ってきた東京国際大も、2区のケニアからの留学生・エティーリ(2年)が期待通りの区間新記録で貯金をつくり、往路の選手が奮闘。最後は“四つ巴”の激しいシード権争いを制したのは、中村勇太監督代行の読み通りだったはずです」(大学関係者)
出場資格の門戸を関東以外の大学にも開放した昨年の第100回記念大会の予選会には史上最多の57校が参加。例年より3校多い13校が本戦切符を得たが、シード権を取ったのは、やはり9位帝京大と10位大東大の2校のみ。今年の箱根で大東大は19位に沈み、帝京大は10位でどうにかシードを守った。
予選会組が苦戦するのは、そもそもの実力不足に加え、こんな事情があるからだ。
箱根の予選会は10月の出雲駅伝の直後に行われ、2週間後には全日本駅伝もある。そんなハード日程の中、上位10人のハーフマラソンの合計タイムで競う予選会に臨む。
「このきつい日程をこなして本戦の出場権を取るのは至難の業です。シード校は箱根だけを考えて調整できるのでこの差は大きい。さらに、予選会で出場権を手にして疲労がたまっている選手たちに、シード校の選手たちが1万メートルやハーフマラソンで出した好記録の情報が入ってくる。不安になって『自分も記録を出さなければ』という思いから1万メートルの記録会やハーフマラソンを走って、本番に向けてコンディションを最高の状態に持っていくピーキングに失敗するケースが多いのです」(前出の関係者)
来年からは、予選会から這い上がってきた大学にこそ熱いエールを送ってほしい。
◇ ◇ ◇
ところで、駅伝といえばケニア人留学生の活躍が話題になるが、彼らはどのような待遇を受けて学生生活を送っているのか。その「知られざる実態」とは。
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