大関・豊昇龍は「我慢」が綱とりのカギに…レスリング出身ゆえの“悪癖”を修正できるか
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月7日 9時26分
豊昇龍(C)共同通信社
果たして「悪癖」をこらえられるか。
12日に初日を迎える大相撲1月場所。先場所優勝した琴桜(27)、そして優勝次点の豊昇龍(25)の2大関が綱とりに挑む。
横綱昇進の条件は「2場所連続優勝か、それに準ずる成績」。優勝次点にその資格があるのかどうかは常に議論の的だが、いずれにせよ、賜杯さえ掴み取れば昇進はほぼ確実と言っていいだろう。
豊昇龍は先場所、千秋楽まで13勝1敗で琴桜と並走。相星決戦で敗れたものの、13勝2敗は自身最高成績。2023年7月場所で優勝したときでも12勝3敗だった。
角界OBは「先場所の躍進は我慢の一言ですよ」と、こう続ける。
「豊昇龍は身体能力が高く、叔父の元横綱朝青龍譲りのスピードもある。ただ、レスリング出身だからなのか、困ったらすぐに投げを打つ悪癖がある。例えば、組み合って膠着状態になったときなどは、強引にでも投げに持っていこうとする。それが彼の魅力、相撲の面白さでもあるが、自滅につながることも多く、成績が安定しない要因のひとつでもあった。それが先場所は無理な体勢から投げを打たず、流れの中で自然に投げるようになった。元々実力はある力士。落ち着いて相撲を取れば2度目の優勝も遠くない」
もっとも、完全に悪癖が直ったわけではなさそうだ。
「先場所の千秋楽、琴桜戦では強引に投げを打つも残され、自分の方が体勢を崩してしまい、負けた。優勝がかかった一番で、さっさと勝負を決めたかったのだろうが、結果的に墓穴を掘ってしまった。綱とりとなれば、重圧はこれまで以上。むちゃな投げをいかに我慢しつつ相撲を取れるかが綱とり、ひいては今後の豊昇龍のカギとなるでしょう」(前出のOB)
3日の稽古始めから連日、土俵で汗を流している豊昇龍。先場所の自身最高成績が、良い薬になっていればいいのだが……。
◇ ◇ ◇
日刊ゲンダイは冬の巡業中に琴桜を直撃。綱とり、技、駆け引き、先代などについて、とことん語ってもらった。
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