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2025年は値上げラッシュ再来、実質賃金も大幅増は望み薄…荻原博子さんが説く「生活者の心構え」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月7日 9時26分

2025年は値上げラッシュ再来、実質賃金も大幅増は望み薄…荻原博子さんが説く「生活者の心構え」

春闘に期待したいが…(C)共同通信社

 2025年の食料品の値上げは、品薄から高騰した米価の高止まりが続き、1月には1年半ぶりにパン製品の一斉値上げなど今年も春先にかけて断続的な値上げ傾向が続くとみられる。

 24年通年の値上げ品目は累計で1万2520品目と前年の3万2396品目から6割減の水準となった。しかし、25年は「再び値上げ圧力は強まる」と帝国データバンク情報統括部の藤井俊部長がこう述べる。

「昨年メーカーは、人手不足から人件費増や円安による原材料の値上がり、賃上げなどで本来なら商品の値上げをしたかった。しかし前年の急激な値上げラッシュでPBなど安価な代替商品への需要シフトや、値上げ後の買い控えが定着、値上げは消費者離れがますます予想され価格の引き上げは躊躇せざるを得なかった」

 そのうえで、「しかし今年はサービス価格の上昇が企業努力では対処可能な範囲を超えつつある。したがって、25年は再び値上げ圧力が強まる傾向が続くと考えられます」と続ける。

 総務省が昨年12月20日に公表した同年11月の消費者物価指数は109.2(生鮮食品除く)で前年同月比2.7%と39カ月連続で上昇。とくに米価の上昇は前年同月比6割高と、今年も価格は落ち着く気配が見えない。

■電気、ガス、そしてガソリン価格の値上がりが負担に

 さらに国民に大きな負担となるのが電気、ガス、そしてガソリン価格の値上がりだ。電気代は昨年9月分までは1キロワット時4円の政府補助金は、10月使用分から2.5円に、ガス代は1立方メートル17.5円が10円に減額され、今年1~2月も縮小されたまま3月にはさらに減額される。ガソリンはすでに昨年12月19日から補助金が1リットル当たり5円程度縮小されているが、今年1月16日以降はさらに5円程度縮小される。帝国データバンクの調査では、25年1~4月で3933品目の食品値上げが予定されているのだ。

 24年春闘は5.33%の歴史的な賃上げが実現した。人手不足、物価高を背景に25年春闘も5%前後の賃上げを予想する声は多い。賃上げに伴う実質賃金は昨年来プラスマイナスを行き来しているが、政府の補助金の減額、消費者物価の上昇を考えると今後の実質賃金の大幅なプラス化は考えにくい。経済評論家の荻原博子氏が今年の生活者の心構えをこう言う。

「今年の企業業績は昨年ほどの期待はなく、自動車業界をはじめ逆に厳しい環境が増え賃上げで手取りが増えるなど考えられません。トランプ大統領の就任で日本の円安打撃が強まり、輸入物価の上昇は、さまざまな商品の値上がりに直結するでしょう。消費者は家計を守るにはモノは消費しない選択肢しかありません」

 厳しい2025年がスタートした。

(ジャーナリスト・木野活明)

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