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国民民主×維新で繰り返される醜悪な綱引き…だから石破首相は妙に余裕シャクシャク

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月8日 9時26分

国民民主×維新で繰り返される醜悪な綱引き…だから石破首相は妙に余裕シャクシャク

なぜか余裕綽々(C)共同通信社

 少数与党の石破政権にとって、今月24日召集予定の通常国会の「山」は新年度予算案を今年度中に成立させられるかどうかだ。

 衆院を3月2日までに通過させられれば、憲法の規定で参院送付後30日で自然成立するため、予算案は3月末までに成立するが、肝心の衆院で過半数割れなのだから簡単ではない。ところが、石破首相は妙に余裕綽々のようすだというから驚く。

「トランプ米次期大統領と今月20日の就任式前に会談することは見送ったようだが、石破首相は早期の訪米を望んでいて、トランプ大統領の就任直後の2月で調整中だそうです。普通に考えたら、来年度予算案の審議で国会が大変な時期なのに、石破首相は予算の成立はそこまで揉めないだろうと楽観的に構えているらしいのです」(自民党関係者)

 石破首相の念頭にあるのは、昨年末の臨時国会で展開された国民民主党と日本維新の会の「綱引き」の再現だ。両者にもう一度“あめ玉”を与えれば何とかなると踏んでいる。連立与党の公明党・斉藤代表が正月の街頭演説で、早々に予算案修正を口にしていたが、石破政権は野党の要求“丸のみ”に準備万全というわけだ。

「財務省は既に、国民民主が求める『年収103万円の壁』のさらなる引き上げと維新が要求している教育無償化について、それぞれの政策を取り込んだ予算案修正のシミュレーションをやっていて、いつでも対応可能です」(官邸事情通)

またしても手柄取り合戦

 国民民主と維新は「対決より解決」で張り合っている。“元祖”の国民民主は、古川代表代行が4日の年頭記者会見で「具体的な政策ごとに協議し、実現を目指す」と発言。維新の前原共同代表も4日、「少数与党の国会で単に反対するのではなく、政策の実現を図る」と強調していた。

「現状123万円となっている年収の壁の引き上げについて、玉木代表(役職停止中)が『150万円以上は絶対だ』と、もともと要求してきた178万円から下げたのも落としどころを探してのことだろう。最終的に引き上げられなければ、政策実現できなかったということになり、国民民主の支持率が下がる。自民はそこをよくわかっているから、最後に国民民主のメンツを保つ形に持っていく。その交渉で維新の存在をちらつかせる」(前出の自民党関係者)

 維新は維新で支持率ジリ貧。今夏の参院選に向け、存在感を示して党勢を回復させたい。そこをわかったうえで、自公は維新と教育無償化に関する実務者協議を年末にスタートさせている。

 結局、国民民主と維新が手柄取り合戦でしのぎを削り、自民は両方を取り込んで、新年度予算案成立? 昨年末と同じ光景が繰り返される。石破首相が余裕をかますわけだ。

  ◇  ◇  ◇

 裏金問題は逮捕者まで出す大事件だったにもかかわらず、国会質疑ではノラリクラリとはぐらかす自民党の面々。厚顔無恥な姿勢から「ゾンビ政党」などと揶揄する声も出たが、「死んだふり」は長くは持たなかった――。●関連記事『【もっと読む】ゾンビ政党の本領発揮!自民党で進む議員グループ化に《新たな派閥づくり》と国民怒り』で詳報している。

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