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地域が整備すべき「アドバンスケアプランニング」とはなにか【正解のリハビリ、最善の介護】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月8日 9時26分

 今年、福岡で開催される日本集中治療医学会学術集会では、その点に危機感を持ち、そこで、急性期集中治療後の回復とより良い人生を送るための英知集結の講演依頼があり、専門医共通講習(地域医療)でお話しする予定です。

■回復期治療を受ける時には新しい人生を考える

 第3は、「このプロセスを本人が自分で意思決定ができなくなった場合に意思決定をしてくれる信頼できる人等を選んでおくこと」です。私も60歳を越えて、たくさんの経験と英知は集結できましたが、身体的、知能的な衰えを感じるようになり、もしもの時の意思決定を妻や家族に任せる準備中です。一方で、そうならないように「筋肉革命95」を進めており、95歳で非介護、103歳まで現役医師を続けたいとトレーニングしています。

 人は、もしもの時まで、もしものことは考えません。そして、もしもの時に初めて、どうしたらいいかを悩み始めます。ですから、地域のACP政策では、患者さんの希望する価値観、生活の目標、今後の治療に対する意向を支援する体制を準備して欲しいのです。これが救急体制と看取り体制だけでいいと思われたら、困ります。みなさんもぜひ自分が暮らしている自治体のACP政策に興味を持って、調べてみてください。

 最後に、ACPを考えるタイミングはいつがいいのでしょうか。それは自分の健康を考え始めた時が第1段階です。第2段階は大きな病気を治療した時です。特に、回復期リハビリテーション病院で回復期治療を受ける時は、今後の新しい人生の再出発を考える必要があります。余命宣告をされた時がACPを考えるタイミングではありません。備えあれば憂いなしです。

(酒向正春/ねりま健育会病院院長)

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