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4月からワクチン定期接種…帯状疱疹を知る(2)20~40代の患者増加はブースター効果の激減が原因

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月8日 9時26分

4月からワクチン定期接種…帯状疱疹を知る(2)20~40代の患者増加はブースター効果の激減が原因

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「お年寄りがかかる病気という認識だったので、まさか自分がかかるとは思ってもいなかった」と話すのは、半年前に帯状疱疹を経験した20代後半の男性。体の片側がピリピリしていると思っていたら、赤い発疹や水膨れが出てきて、皮膚科で帯状疱疹と診断された。痛みがひどく、1週間ほどはほとんど眠れなかったという。

 帯状疱疹は本来、50代以降で急激に増え、20~40代は比較的少ない病気だった。ところが2014年10月に開始した水疱瘡(水痘)ワクチンの定期接種で、水疱瘡の子供が激減し、ブースター効果を得られる機会も激減。それによって、20~40代の帯状疱疹患者が増加している(本連載1回目参照)。

 ブースター効果とは、体内で一度作られた免疫機能が、抗原に再度触れることでさらに免疫機能が高まることだ。外山皮膚科(宮崎県日南市)の外山望院長が言う。

「帯状疱疹の原因となる帯状疱疹ウイルスは、水疱瘡の水痘ウイルスと同じです。水疱瘡にかかり治っても、水痘ウイルスは体内の神経節にずっと潜伏しています。そして免疫力が低下すると帯状疱疹(水痘)ウイルスが活性化して増殖し、帯状疱疹の症状が出現する。しかし子供が水疱瘡を発症すると、帯状疱疹(水痘)ウイルスに繰り返し触れることになり、その都度免疫が強化され、発症が抑えられるのです。それが今は、その機会が少なくなってしまったというわけです」

 帯状疱疹ウイルスが潜伏する神経節は体のさまざまな部位にあり、どの神経節が攻撃されるかで症状が出てくる場所が異なる。場所によっては、顔面神経麻痺、失明、膀胱・直腸障害、脳炎、髄膜炎など重篤な合併症を引き起こすことがある。

「さらに帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に至る人もいます。その数は決して少なくなく、50代以上では2割との報告もあります」

 帯状疱疹後神経痛はウイルスによる神経損傷によって起こるもので、皮膚症状が消えた後も、痛みが残る。洋服が触れる程度のわずかな刺激でも強い痛みと感じる人もいて、日常・社会生活に大きな影響を与える。

「帯状疱疹後神経痛は神経の損傷のため治療が難しく、月単位、年単位で痛みが続くケースも珍しくありません」

 このように帯状疱疹はつらい病気だが、一方で、対抗策もある。(つづく)

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