B'z出演で紅白歌合戦は大盛り上がり 次回の出演が期待される「次なる大物」は誰だ?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月9日 9時26分
小田和正(C)日刊ゲンダイ
【芸能界クロスロード】
放送100年の節目を迎え番組改革が進むNHK。紅白もどう改革するかが課題だが、昨年の紅白から「将来の布石」が垣間見られた。
目立ったのが復活組。通常の出場枠ではTHE ALFEEが41年ぶり2度目の出場。25年ぶりのGLAY、32年ぶりのイルカと27年ぶりの南こうせつが揃って登場した。
高橋真梨子も7年ぶりに戻ってきた。特別枠の氷川きよし、玉置浩二、米津玄師と合わせると実に8組が復活した。
紅白は老若男女が楽しめる音楽番組。若手歌手を多く起用すれば、「この人誰?」「聞いたこともない歌」と年配は困惑する。ベテランが中心になれば、若者はそっぽを向く。どうバランスを保つかが制作側の腕の見せどころだ。
今回は1部をK-POPなどの若手グループを中心に構成。2部の中心を担ったのが復活組だった。
演歌組では課題と改革があった。近年、演歌歌手は自ら卒業する人、卒業させられる人が増え減少傾向。今回も演歌界からは白組が三山ひろしと山内恵介の2人。紅組も石川さゆり、坂本冬美、天童よしみ、水森かおりの4人だったが、三山はケン玉、水森はドミノ倒しをバックに歌唱。本来、選ばれた歌手が一堂に会し生歌を聴かせるのが紅白のコンセプト。2人は例外のように、ケン玉とドミノがセットの歌唱。その結果、視聴者は気をとられ三山、水森が何を歌ったか覚えていない人も少なくない。「余興は別にやるべき」という意見もあり、今後の課題のひとつになるだろう。
一方、進化もあった。「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」を交互に歌っていた石川、「夜桜お七」を熱唱することの多かった坂本。
「楽曲はNHK側の意向に沿って選曲される。歌手の希望は原則、通らない」(音楽関係者)
今回は「能登」絡みの持ち歌に変更がかなった。収録での出演が当たり前になったのも進化の表れ。かつては「特別扱い」と暗黙の禁止事項になっていたが、人気歌手に出てもらうためにいつの間にか収録も認めた。今回も玉置・米津は収録だった。ウルトラ級の目玉だったのがB'zの初出場だった。朝ドラ「おむすび」の主題歌を手掛けたことから紅白出場の可能性も囁かれていたが、「年末年始は2人とも海外で過ごす」ことを理由に難しいと思われていた。今回は朝ドラの主題歌が決まった時点で「出演する」意向だったそうだが、これも朝ドラ人気と紅白の伝統の力の成せる業だろう。
大物の出演に番組もサプライズ演出。当初「収録」といわれていたのを朝ドラのテーマ曲「イルミネーション」を別のスタジオで熱唱後、本会場に登場して2曲を披露した。司会者も会場もコンサートのように盛り上がった。稲葉浩志の美声と声量。世界トップレベルの松本孝弘のギター。それまで出ていた歌手は前座に思えるほどの迫力だった。
次回の紅白も復活組に加え、大物歌手の出演に期待も高まる。矢沢永吉も長渕剛もすでに出演済み。人気、実力を兼ね備え活動を続けている歌手といえば小田和正しかいない。小田は07年の朝ドラ「どんど晴れ」の主題歌を担当しているが、ヒロインの出身地が小田と同じ横浜だったことで実現した。きっかけをつくれば紅白出場もあり得る。
今年は小田とNHKの動きに注目したい。
(二田一比古/ジャーナリスト)
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