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スキージャンプ高梨沙羅またまた「失格」の深層…北京五輪、W杯に続く失態にSNS《また?》と物議

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月9日 9時26分

スキージャンプ高梨沙羅またまた「失格」の深層…北京五輪、W杯に続く失態にSNS《また?》と物議

高梨沙羅(C)NTB/共同通信イメージズ

 また、だ。

 6日、オーストリアで開催中のスキージャンプW杯女子個人第9戦で、高梨沙羅(28)が2回目のジャンプでスキー板の長さの規定違反で失格。30位に終わって涙をのんだが、いやでも思い出すのが2022年北京冬季五輪である。

 女子のエースとして臨んだ混合団体で1回目のジャンプ後に「スーツの太もも回りが2センチ大きかった」と、スーツの規定違反に問われて失格を告げられた。日本は4位に終わってメダルを逃し、自らを責めた高梨は自身のインスタグラムに真っ黒の画像とともに謝罪文を投稿。のちに引退を考えたと明かし、騒動になった。23年1月のW杯でもスーツの規定違反で失格していることもあり、SNSでも《また?》などと物議を醸している。

 ジャンプのスキー板の長さは、身長と体重から算出されるBMI(体格指数)によって定められている。今回は、2回目のジャンプ後の測定で違反を告げられたが、高梨を失意のどん底に落とした北京五輪では混合団体だけで5人の失格者が出たこともあり、ルールそのものに対する疑問の声は消えていない。

 スポーツライターの小林信也氏は「そもそも、スキージャンプにおける公平性の部分が複雑すぎる」とこう続ける。

「走り高跳びは背の高い選手が有利に決まっていますが、身長差で何かを競ったりはしない。もっとシンプルなルールにすべきではないかと思います。身長体重にかかわらず、板の長さやスーツの種類を統一し、選手の技術だけで勝負する。複雑なルールが違反を誘発している気さえします」

 スキージャンプは過去に何度もルール改正を繰り返してきたが、そのたびに「日本潰し」の背景も囁かれる。

「これには日本の苦手な『スポーツの政治』が関わっています。『日本の考え=世界の考え』にならないのは、運営面で政治力とリーダーシップのあるOB、OGが日本に少ないから。日本は国内の強化ばかりに目が行きがちですが、もっと世界で競技運営の中枢を担える人材育成をしないといけない。現・長野市長の荻原健司さん(ノルディック複合団体で五輪連覇)も政治よりスポーツの未来を考えて世界に出て行ってほしかった。そういう仕事はボランティア活動も多く、“うまみ”がないとはいえ、高梨選手には引退後、つらい経験をした選手のひとりとして世界に出て、リーダーシップを発揮してもらいたいと思います」(小林信也氏)

 失敗は成功よりモノをいう。

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