琴桜は年明けの稽古総見で「3勝10敗」でも綱とりに無問題、これといった不安もなしの根拠
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月9日 9時26分
稽古総見での琴桜(右)/(代表取材)
精彩を欠いていたのは間違いない。
12日初日の1月場所で綱とりに挑む大関琴桜(27)。6日に行われた横綱審議委員会の稽古総見では豊昇龍、大の里と大関同士で申し合いをしたものの、まさかの3勝10敗。本人が「もっと仕上げていかないといけない」と話したように、居並ぶ横審の面々には頼りなく映ったことだろう。
これでは本場所も不安と思いきや、親方のひとりは「何も問題はありませんよ」と、こう話す。
「稽古で重要なのは中身であり、勝ち負けではない。さらに言えば、稽古総見は『本場所前に横審に見せるもの』という意味合いでしかなく、内心では好んでいない力士も少なくない。よくプロ野球選手は『開幕にピークをもってくるように調整する』なんて言いますが、今は大相撲の力士もそうです。本場所中にピークが来るような調整が当たり前になっている。近年だと、横綱時代の白鵬(現宮城野親方)は場所終盤を見据えて調整していたので、初日の1週間ほど前に行う稽古総見では、土俵にすら上がらないことも多々あった。稽古総見で良かった、悪かったは何の参考にもなりません」
かつての大相撲は「力士の仕事は稽古、本場所はテストのようなもの」と言われていたが、そうした意識も時代とともに変化しているのだろう。
琴桜は年末の冬巡業では順調そのもの。稽古総見の前日は幕内力士と30番相撲を取るなど、これといった不安は見当たらない。
「稽古で強さを発揮するタイプの力士でもありませんからね。ただ、稽古総見の会場は暖房の効きが悪かったのか、本人は『寒かったです』と言っていた。精彩を欠いたのは、相撲を取る前のアップで思うように体が動かせず、体が温まっていなかっただけではないか」(前出の親方)
先場所同様、攻めの相撲を貫ければ、昇進も遠くはなさそうだが。
◇ ◇ ◇
日刊ゲンダイは冬の巡業中に琴桜を直撃。綱とり、技、駆け引き、先代などについて、とことん語ってもらった。
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