庶民の娯楽は“タダで見られるテレビ”に回帰? 各データに表れた「食・遊び」お金の使い方
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月9日 9時26分
かって昭和の時代、一家の団らんは、テレビの前だった(C)共同通信社
年が明けても値上げラッシュは続く。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2025年の値上げ動向は4月までに6000品目、24年比で6割増のペースになる見通しだという。
「総務省の家計調査(昨年10月分)で、消費支出の実質減少率が最も高い項目が『教育』で、次いで『被服及び履物』『住居』と続きます。要するに、服や靴などは古いものか安いもので、家賃の安いところに住む。食品の値上げがまだ続くとなれば、さらに『家具・家事用品』や『教養娯楽』を削る傾向が強まるはずです」(ファイナンシャルプランナー)
そりゃそうだ。いくら食品が高くなっても、人間、食べないわけにはいかない。
■旅行や帰省は限られた富裕層だけ
昨年12月25日に発表されたインテージの「年末年始」に関する調査によると、「旅行や帰省の予定はない」という回答は56.4%で、前年からほぼ横ばいだった。「実家への帰省」は18.5%→16.1%にダウン。
「海外旅行」は2倍増といっても0.7%→1.3%だ。生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏がこう言う。
「昨年のクリスマス、近所のレストランは閑散としていました。旅行したり帰省できるのは限られた富裕層だけで、庶民は外食もせず、休日も自宅で過ごすようになりつつある。年金暮らしの高齢者は日がな一日、テレビを見て過ごしたりしていますが、さらに下の現役世代にまで広がっていくかも……中高年向けの番組が多いテレビ朝日の視聴率が好調なのは、それもあるのでは?」
東京ディズニーランドも、1983年の開園当初は3900円だった大人の“1日券”が、今や最高1万円超だ。庶民にとっては、いろんな意味で“夢の国”になってしまっている。都内の私大教員がこう明かす。
「学生さんは遊びに行くお金もないし、有料のサブスクで音楽を聴くのもやめたり。スマホのデータ通信だって無制限のプランは料金が高いし、無料Wi-Fiを使える場所で、YouTubeやTVerの無料動画をひたすら見て時間を潰している。そんな話、よく耳にしますよ」
前出の帝国データバンクの調査では、今年の値上げは年間で1.5万~2万品目ペースを想定、昨年を上回る可能性があるという。ますます遊びにお金はかけられなくなるわけで、庶民の娯楽も昭和に逆戻り、タダ見できるテレビに回帰せざるを得ないか。紅白歌合戦の視聴率が下げ止まったのも、そのせい?
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