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トランプ&プーチンそれぞれのウクライナ戦略…米大統領返り咲きまで11日、停戦実現「6カ月」に後退の怪しさ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月9日 10時42分

トランプ&プーチンそれぞれのウクライナ戦略…米大統領返り咲きまで11日、停戦実現「6カ月」に後退の怪しさ

めちゃくちゃな持論を展開しまくり(C)ゲッティ=共同

 米国の大統領就任式まであと11日。

 返り咲きに胸を躍らせるトランプ前大統領は7日(現地時間)の会見でメチャクチャ発言を連発し、関係国への揺さぶりを本格化させた。通航料が高過ぎるとパナマ運河の返還を求め、安全保障上必要だからとデンマーク領グリーンランド購入に前のめり。いずれもかねての主張だが、グリーンランドについては「デンマークがNATO(北大西洋条約機構)加盟国の国防費の現行目標(GDP比2%)すら未達のため、嫌がらせ」(外交筋)だという。

 目新しいところでは、ウクライナ戦争の停戦実現見通しを後退させた。「大統領就任前」とか「就任後24時間以内」と豪語してきたが、「6カ月あれば良い」と修正。「ウクライナ支援は金の無駄」としか思っていない男の調停は怪しさを増すばかりだ。

 一方、現地の攻防は年末年始に一息つくこともなく激化。昨夏から攻勢を強めるロシアは北朝鮮兵も前線に投入し、占領地拡大を図る。長く防戦を強いられてきたウクライナも越境攻撃に転じたが、戦況は厳しい。ウクライナメディアによると、昨年1年間で奈良県に相当する3600平方キロを喪失。ロシアは4500平方キロを掌握したと喧伝している。

 国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう指摘する。

「トランプ氏はプーチン大統領のモーレツ支援を受けて大統領に初当選した経緯などもあり、『プーチンの代理人』と言っても過言ではありません。現在の前線に沿って『戦闘を凍結』させる案が浮上していて、ロシアが一方的に併合を宣言した東部と南部の4州は事実上の割譲となる可能性がある。ウクライナにとって到底納得のいく内容ではありませんが、少なくとも主権は守られる。もっとも、プーチン氏の当初の目標は、ゼレンスキー大統領の斬首とキーウ陥落だった。領土拡大で矛を収めるとは思えません。戒厳令下のウクライナでは大統領選が延期されており、プーチン氏はゼレンスキー氏を交渉相手として認めていない。ウクライナの主権維持も危機にさらされています」

 米調査会社「ユーラシア・グループ」が発表した「今年の10大リスク」で、「ならず者国家のままのロシア」が5位にランクイン。「トランプの支配」が2位で、「トランプノミクス」は4位だった。世界リスクの3分の1が核保有2大国のトップに起因。平和は遠い。

  ◇  ◇  ◇

 石破首相はトランプとの首脳会談に関して、“犬猿の仲”と言われる麻生太郎自民党最高顧問に相談したというが、その狙いは?…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

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