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AI、暗号資産、ハッカー対策…米中が猛烈強化のソフトウエア開発で日本は出遅れハッキリ(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月10日 9時26分

AI、暗号資産、ハッカー対策…米中が猛烈強化のソフトウエア開発で日本は出遅れハッキリ(中西文行)

銀行が次々に攻撃された(C)日刊ゲンダイ

【経済ニュースの核心】

 日本の経済活動の要の銀行。みずほ銀行は2024年12月31日、インターネットバンキングなどにつながりにくくなる障害が起きたことを明らかにした。サーバーに大量のデータを送りつける「DDoS(ディードス)」攻撃の可能性があるという。同様の障害は26日に三菱UFJ銀行、28日にりそなホールディングス傘下の銀行でも発生した。

 一方、金融庁は12月26日、イオン銀行に対し、マネーロンダリング対策などに不備があるとして銀行法に基づく業務改善命令を出したと発表。適切な業務運営を確保するための体制を速やかに構築することなど、25年1月31日までに業務改善計画を提出することを求めた。

 ハイテク社会のインフラとなったインターネット。ハッカーなどによる攻撃やマネーロンダリング、フェイクニュースなどに対処するシステムの高機能化は最重要である。また、世界各国で、持続的な経済成長を図るには生成AI(人工知能)やビットコイン(暗号資産)などのソフトウエア開発力である。

 トランプ米次期大統領は12月5日、政権に「AI・暗号資産担当長官」を新設、デービッド・サックス氏をその職に指名し、「デービッドはAIと暗号資産において政権の政策を導くことになる。この2つの分野は、将来の米国の競争力にとって重要だ」と述べた。

 米国との対立が一段と激化すると予想される中国。ソフトウエア開発はマンパワーがポイントだが、中国工業情報化部は24年12月、武漢で開催された「開放原子開発者大会」で、中国のソフトウエア開発者数が940万人を突破したと明らかにした。中国インターネット協会副理事長の李暁東氏は「中国は世界最大のソフトウエア開発国であり、世界のソフトウエア開発者の約3分の1を占めている。(中略)これは、中国の将来のデジタル産業発展のための人材基盤でもある」と述べた。

■日本の経済成長に半導体は重要だが…

 21年9月に発足した日本のデジタル庁は、「デジタル基盤の整備による成長戦略の推進」「安全安心で強靱なデジタル基盤の実現」などに基づいてプロジェクトを推進しているが、職員不足などにより、AI、暗号資産、ハッカー対策などデジタル社会インフラ構築に出遅れているように見える。日本の経済成長に半導体は重要だが、ウイルス対策ソフトや生成AIなど革新的ソフトウエアがサイバー空間の安全保障も含めて経済成長には、より重要だろう。トランプ米次期政権はテクノ・リバタリアン政権とも揶揄されるが、何が経済成長の原動力かを深く理解していよう。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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