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「くわい」は解毒を促して老廃物を排出する作用が高い「デトックス食材」【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月10日 9時26分

「くわい」は解毒を促して老廃物を排出する作用が高い「デトックス食材」【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

くわいの身体リセットそば(提供写真)

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】くわい

 お正月についつい食べ過ぎ、テレビの前でゴロゴロしていたら体重計の針が右へ、右へ……。正月太りだからそのうち戻るだろうと思っていても、加齢で基礎代謝が低下したシニアは意外に時間がかかるもの。放っておくと、ずるずると体重が増加しかねません。早めに対策を図りましょう。

 シニアは低栄養によるやせすぎも問題ですが、肥満も問題。糖尿病、脂質異常症、高血圧、脳卒中など動脈硬化性疾患のリスクが高まります。また、肥満は認知症を引き起こしやすくなるともいわれています。

 そしてシニアは、とくに「サルペコニア肥満」になりやすい傾向があります。サルペコニアとは、加齢とともに筋肉量が減る現象です。肥満とサルコペニアが同時に起きる状態であるサルコペニア肥満の場合、階段の上り下りがつらい、つまずきやすいといった日常生活動作能力が低下し、転倒、骨折のリスクも高まるのです。

 新しい年を迎え、健やかな身体で快適な毎日を送るためにもいまのうちに対策を。中医学では、健康で美しい身体を作るために栄養をとることも大切ですが、余分なものを体から排泄することも大切、と考えます。

 現代人は豊かな食事でえてして「補い過ぎ」で、体に毒素や老廃物などの「ゴミ」をため込みがち。そうなると体調不良ばかりか、太りやすい、ダイエットをしてもなかなか体重が減らないといった状態に陥ってしまうのです。

 正月太りの解消には、まず解毒作用を活発にする「デトックス食材」を取り入れることが重要です。

 おすすめは、お正月にお馴染みの「くわい」。丸い形の実に芽が伸びている姿が「芽が出る」「芽出たい」という縁起物として、おせち料理に登場する野菜です。

 体内の余分な熱を鎮めて、解毒を促し老廃物を排出する作用が高く、利尿作用にも優れ、むくみの改善にも役立ちます。咳止め、喉の炎症にもよく、この時期の風邪対策にもおすすめ。また、皮膚のできものや腫れものにもよい食材です。

 独特のほろ苦さと、やさしい甘みがあり、おせちでは煮物として登場しますが、炒め物や素揚げなどにしても、ホクホクした食感で美味しくいただけます。1月はまだスーパーに並んでいることが多いので、ぜひ、多彩な使い方で楽しんでみましょう。

 くわいのデトックス効果を高めるには、同じく解毒作用のある黒きくらげ、アサなどと組み合わせるとよいでしょう。

■くわい高齢薬膳レシピ

くわいの身体リセットそば

 解毒作用に優れたくわいと、同様の効能がある黒きくらげ、アサリを組み合わせたそば。ホクホクしたくわいとそばを、ごま油の風味、アサリの旨みがうまくつないで、美味しくいただけます。

【材料】2人分
●くわい 6個
●黒きくらげ(乾燥) 3g
●アサリ水煮缶(55g) 1缶
●そば(生) 2玉
●そばつゆ 3カップ
●細ネギ 適量
●ごま油・しょうゆ 少々

【作り方】
 鍋に湯を沸かし、芽を切り落として皮をむき、薄切りにしたくわいを入れ中火で5分程度煮てアクをとり、ザルにとって水を切る。フライパンにごま油を熱し、くわい、水で戻して食べやすく切った黒きくらげ、アサリの身を入れて炒め、しょうゆをふる。つゆにあさりの缶汁を加えて温め器に盛り、袋の表示どおりゆでたそばを入れ、炒めたくわい、黒きくらげ、アサリをのせ、小口切りにした細ネギを散らす。

(池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)

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