夜の料亭政治は消えゆくが…「政策活動費」廃止だけでは与野党なれ合い政治は変わらない【コラム 永田町番外地】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月12日 9時26分
日歯連事件も闇の中…(野中広務㊨・青木幹雄の両氏)/(C)日刊ゲンダイ
【永田町番外地】#8
昨年末、東京・赤坂の料亭「口悦」が、静かにその幕を閉じた。といっても、かつて大物議員たちの“夜の社交場”として賑わった料亭はすでに跡形もなし。閉店したのはコロナ前、売却移転後に割烹料理屋として再出発した「口悦」のことだ。
「移転後も馴染みだった元議員さんたちが入れ代わり立ち代わり顔を出してくれていて、けっこう賑わっていましたけど、女将はかなりのご高齢ですから一区切りつけたのでしょうね」
とは、料亭時代の「口悦」を知る元芸者のひとり。折しも先の臨時国会では自民党の裏金事件に絡み、政策活動費の全面禁止を盛り込んだ改正政治資金規正法が成立したばかりだが、料亭「口悦」は日本歯科医師連盟の1億円闇献金事件の舞台にもなった。
「あの事件では、2004年に橋本派会長代理だった元官房長官の村岡兼造と会計責任者が政治資金規正法違反で起訴されましたが、口悦の女将は検察の聴取に対して1億円授受の座敷にいたのは、橋本(龍太郎元首相)と野中(広務元幹事長)、青木(幹雄参院会長)の3人だったと証言しています。寝耳に水の村岡さんは、無罪を主張して最高裁まで戦いましたが、有罪が確定し失意の中で5年前にお亡くなりになりました」(元橋本派番記者)
一昨年末、東京地検特捜部は安倍、二階両派閥の裏金疑惑にメスを入れた。連立与党は世論の逆鱗に触れ過半数割れに追い込まれたが、日歯連事件を持ち出すまでもなく、戦後の自民党政権とカネの問題はモグラ叩きのごとくである。
■がんは官邸機密費
「政策活動費は、公開義務がないことから一種の“裏金”だと批判され、廃止されますが、費目を変えればなんとでもなります。議員個人レベルの表に出せない会合費や、政党・派閥レベルの選挙対策費や野党懐柔費はどうしても必要ですからね。それに自民党の国対幹部が野党議員にバラまいてきた年間1億円もの官邸機密費は今回も野放し状態ですから、与野党なれ合いの国対政治は今後も続きますよ」
自民党議員のベテラン秘書は、したり顔でこう言う。
自民、立憲民主両党は9日、参院国対委員長会談で、14、20の両日に自民党裏金疑惑議員2人ずつの政倫審出席を決めた。これも与野党妥協のセレモニーにすぎないが、このまま生ぬるい“追及茶番劇”を続けているようだと、世論の怒りはずっと収まりそうもない。「カネの切れ目が縁の切れ目」にしていかないと、政治不信は募るばかりだ。(特命記者X)
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