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選手を長く休ませるのは勇気が要ったが…年末年始休暇を10日間も取ったワケ(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月13日 9時26分

選手を長く休ませるのは勇気が要ったが…年末年始休暇を10日間も取ったワケ(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

専用グラウンドでの練習風景(C)日刊ゲンダイ

【持丸修一 76歳名将の高校野球論】#54

 あけましておめでとうございます。

 専大松戸は昨秋の千葉大会準決勝で敗れ、今春のセンバツ出場切符に手が届きませんでした。その分、夏の本番に照準を合わせて牙を研いでいる最中です。

 高校生の成長速度はまさに雨後のタケノコ。冬の対外試合禁止期間でも、練習次第で見違えるほどの成長が期待できます。

 特に、冬の投手育成において最重要視しているのが走り込み。「ラスト一本!」とゲキを飛ばしつつ、やらせた後で「やっぱりもう一本!」と限界に挑戦させたりも(笑)。その次に牽制などの投内連係です。投球とメンタルは直結しているから、「投球ではない部分」を固めることで、余計なことを考えずに目いっぱい投げ込める態勢をつくってやる……といったことは、昨年同時期のコラムで詳しく触れましたね。

 この時期はレベルアップの大チャンスなだけに、年末年始はどのくらい休暇を与えるべきなのか、頭を悩ませる指導者も少なくないはずです。

 では、専大松戸はどうか。今年は平年より休みを2日間前倒しして、12月26日から1月4日までの10日間をオフにしました。これだけ長い期間休ませるのは勇気がいりました。しかし、故障気味の選手が多かったこと、春夏連続甲子園出場という結果を残した2023年とは違い、今年のチームは結果を出せていない現状を踏まえ、雰囲気を一新するためのリフレッシュ期間が必要と判断しました。

 選手たちに課した宿題は主に2つ。まずはケガを治し切ること。そして日頃教えている基本動作の反復を続けることです。専大松戸の専用グラウンドは開放しているから練習場所には困らないはず。例えば野手ならバント、投手はフォームの定着などを重点的に取り組み、休み明けで習慣が崩れないよう努めてほしいと思っています。

 休暇中に怠けていたら、全体練習を再開した際の体の運び方や足腰の動きから一目瞭然です。自分で自分に必要なことに気付けなければ意味がない。日頃から自主練の重要性は説いているつもりなので、わざわざ叱ることはありませんが、残念な気持ちになります。そのことだけで評価を下げることはないものの、指導者の目のないところで努力できない選手はおのずとレギュラー争いから脱落していきます。

 入学から引退まであっという間。厳しいようですが、ひとりひとり選手全員を一から十まで尻を叩いて鍛えていく余裕はないのです。

(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

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