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突然母が別人になった(10)突然の「明日退院」。父は頼りにならない…母の面倒はだれが

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月15日 9時26分

突然母が別人になった(10)突然の「明日退院」。父は頼りにならない…母の面倒はだれが

母が入院することになる認知症専門医院(提供写真)

 様子がおかしくなっていた熊本の母は、クリニックでレビー小体型認知症と診断。数日後に熱中症で倒れ、救急病院に運ばれた。私はすぐに熊本に飛んだが、コロナ禍で母には会えなかった。入院の手続きだけし、その日のうちに帰京。しかし約10日後、「明日退院してほしい」という連絡があり、跳び上がるほど驚いた。こんなに急に退院してほしいと言われるものなのか。

 どうすればいいのかわからず、パニックになった。実家の父から、母が運ばれてから自分も具合が悪く、猫の餌をあげる時以外はずっと寝ているというメールが来たばかりだったからだ。

 私は、母の初診日がいつになるかわからないと言われたS認知症専門医院の相談員に電話をかけてみた。予約を入れた日の数日後に、母が熱中症で倒れ入院したことと、明日、急に退院してくれと言われて困っていることを伝えた。

 さらに、同居の父親も体調を崩していること、私は東京に住んでおり、コロナ禍で手伝いに帰ることもできないと話すと、「緊急性があるので最短で診察の予約を取る」と請け合ってくれた。

 示された日付は、母の退院からちょうど10日後。「ただし、東京に住んでいる娘さんは決してお母さまと接触しないでください、もし接触したら診察できません」と言われてしまった。時は2020年8月のお盆前。ここでも新型コロナウイルスによる制限が立ちはだかってきた。

 コロナ禍でなければ、パソコンを抱えて実家に帰ればなんとかできるかもしれない。しかし私が帰省するわけにはいかなくなった。10日間もできてしまう空白期間をどうしようと頭を抱えた。

 ひとりっ子なので、他に頼れる人の当てもない。そこで、母が熱中症で入院してからというもの、何かと気にかけてくれていた3人の叔母たちに相談すると、「お母さんの退院日からS認知症専門医院の診察までは私たちが請け負うよ!」と立ち上がってくれた。

 母が妹たちと仲が良いことは知っていた。前年秋に近所の友人が急逝し、落ち込みがちになっていた母が、朝から晩までかける「さびしい」という長電話に気長につきあってくれていたことも聞いていた。

 さんざん迷惑をかけていただろうに、手伝いを申し出てくれて本当にありがたいことだった。(つづく)

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