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ガクテンソクは「いぶし銀」の実力派 見た目やキャラは地味だが確実に笑いを取る(ラリー遠田/お笑い評論家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月16日 9時26分

ガクテンソクは「いぶし銀」の実力派 見た目やキャラは地味だが確実に笑いを取る(ラリー遠田/お笑い評論家)

ガクテンソクのよじょう(左)と奥田修二(よしもと提供)

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 ガクテンソク

  ◇  ◇  ◇

 今から2年前、結成16年以上の漫才師だけが参加できる新しい漫才の大会「THE SECOND~漫才トーナメント~」が始まった。「M-1グランプリ」の出場資格を失ったベテラン芸人が文字通りセカンドチャンスをつかむための大会である。

 2023年の第1回大会では大阪を拠点に活動するギャロップが優勝を果たした。そして、準優勝したマシンガンズはこれをきっかけに売れっ子になった。

 昨年、そんな「THE SECOND」の第2回大会で優勝したのが、よじょう(写真左)と奥田修二(同右)の2人から成るお笑いコンビ・ガクテンソクである。

 彼らが1本目で披露したのは「国分寺」のネタ。前年に2人揃って大阪から上京してきたという事実をベースにした漫才だ。

 大阪から出てきた芸人の多くは、職場である劇場やテレビ局などへの行きやすさを重視して、都心に住むのが一般的である。しかし、ついに東京に進出してきたと意気込むよじょうは、なぜか都心から遠く離れた国分寺に住み始めた。

 そこを選んだ理由について、よじょうが「信じられへんかもしらんけど、そこしかなかってん」と言うと、すかさず奥田が「そんなわけない!」とツッコミを入れる。

 これは実際に2人の間にあったやりとりから生まれたネタだった。生身の言葉で漫才をしているからこそ、そこに気持ちが乗るし、それぞれの素のキャラクターが自然に出ている。

 この漫才で爆笑を起こし、勢いに乗った彼らは、その後もトーナメント形式の決勝を勝ち抜いて優勝を果たした。

 彼らの漫才の持ち味は、よじょうのつかみどころのない不思議なキャラと、奥田のネチネチした理屈っぽいキャラ。よじょうのとぼけた発言に対して奥田が厳しい調子でたしなめるように言葉をたたみかける。それでもよじょうは柳に風と受け流し、マイペースでどんどん話を続けていく。

「THE SECOND」で披露した国分寺ネタが話題になったことで、彼らは国分寺市観光大使に就任した。国分寺は東京の中ではマイナーで地味な印象だが、実は環境が良くて暮らしやすい。見た目やキャラは地味だが確実に笑いを取るガクテンソクともどこか重なるところがある。いぶし銀の実力派漫才師である彼らは名実ともに「国分寺芸人」になった。(つづく)

(ラリー遠田/お笑い評論家)

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