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物価高や人手不足だけじゃない! 飲食店の「コロナ禍倒産」が過去最多…“時間差”で猛威を振るう背景

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月16日 9時26分

物価高や人手不足だけじゃない! 飲食店の「コロナ禍倒産」が過去最多…“時間差”で猛威を振るう背景

コロナが明けても居酒屋の倒産が急増

 東京商工リサーチが14日発表した調査によると、昨年の企業倒産件数は前年比15.1%増の1万6件で、11年ぶりに1万件を超えた。うち約99.98%が中小企業で、円安によるコスト高騰や人手不足が経営を圧迫した。

 とりわけ苦境に陥っているのは、飲食業界だ。14日は帝国データバンクも、昨年の倒産動向調査を発表し、「飲食店」は894件と前年比16.4%増。コロナ禍の2020年(780件)を上回り、過去最多を更新した。業態別では、居酒屋を主体とする「酒場、ビヤホール」が最多の212件だった。

 経営を悪化させているのは物価高に伴うコスト増だけではない。新型コロナ対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が重くのしかかっている。ゼロゼロ融資の申し込みは20年に開始。昨年4月に返済のピークを迎えた。帝国データバンク情報統括部の橋本伊織氏はこう話す。

「経営に問題があった事業者でも、ゼロゼロ融資では過剰に融資を受けることができました。そうして延命した飲食店は結局、根本的な経営課題が解決しないまま返済期を迎え、今になって相次いで倒産しています。また、コロナ禍当初からみれば、現在の物価高騰は想定外の出来事。計画が狂ってしまった経営者も少なくないはずです。コロナ禍の過剰融資の影響が時間差で表れ、倒産急増の原因になっています」

 物価高が収まる気配もない。帝国データバンクが昨年12月に発表した「2025年の値上げ動向」によると、今年4月までに値上げが決定している飲食料品は6121品目。昨年同時期の5600品目を上回る。

■今年も増加の可能性も

「今春は昨年以上の値上げラッシュが起こる見込みです。飲食店を取り巻く環境は厳しさを増すばかり。ゼロゼロ融資は政府系金融機関で22年9月まで続いたため、返済問題はまだ当面ついて回る。倒産件数は今年も多くなると予想され、ピークはこれからということもあり得ます」(橋本伊織氏)

 今年もまた、暗い一年になるかもしれない。

  ◇  ◇  ◇

 厳しいのは飲食業界だけではない。東京商工リサーチ(TSR)が10日、「経営コンサルタント業」の倒産状況を公表。昨年の倒産が前年比7.6%増の154件に達し、23年の143件を超えて過去最多を更新したという。●関連記事【もっと読む】『「経営のプロ」のはずが…コンサルタント業倒産続出 2024年は154件、過去最多更新のワケ』で詳報している。

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