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桐朋の“二刀流”森井翔太郎 2億3300万円でアスレチック入りの衝撃…直メジャー時代到来で人材流出加速

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月16日 11時32分

桐朋の“二刀流”森井翔太郎 2億3300万円でアスレチック入りの衝撃…直メジャー時代到来で人材流出加速

桐朋の森井翔太郎(C)日刊ゲンダイ

 秀才球児が破格の契約で海を渡る。

 桐朋(東京)の森井翔太郎(3年)が契約金150万ドル(約2億3300万円)でアスレチックスとマイナー契約を結ぶという。

 偏差値71の進学校で投げては最速153キロ、打っては高校通算45本塁打を誇る右投げ左打ちの強打者。この二刀流高校生を巡り、米9球団が争奪戦を繰り広げ、アスレチックスが制した格好だ。

 日米14球団のスカウトが見守った昨夏の西東京大会は、都富士森に2-9で初戦敗退。その後、メジャー挑戦を表明し、昨年9月から12月にかけて大リーグ球団と面談を行ってきた。大谷らが所属するドジャースなど9球団による争奪戦の中で、森井が重視したのが「3年でメジャー昇格」だったという。

 ア・リーグ西地区のア軍は昨季、69勝93敗で地区4位と低迷しているが、極力カネを使わず、若い選手を積極的に起用するチーム方針があり、出場機会を早く得られる可能性の高い球団をあえて選んだのだ。

 さるメジャー球団のスカウトが「彼のウリは高い身体能力とパワー」とこう続ける。

「打者としては打球を遠くに飛ばすパワーがあって、投手としては球が速いのが魅力。ただ、打者としてインコースに弱く、ボール球になるアウトコースを追いかけるのはマイナス。投手としては直球も変化球もコントロールに問題がある。これは右肘が上がってこないというか、肘の位置が低いことが原因で、遊撃からの送球も思い切って投げられていない。今後イップスになる可能性もある。メジャー球団のほとんどが、投手としては厳しいと見ていて、教え方次第では、打者として化ける可能性があるという評価。強豪校ではないので、伸びしろが大きい選手ではあります」

 日本球界に与える影響は大きそうだ。なにしろ、アスレチックスが用意した条件は、日本のドラフト選手の上限である契約金1億円、出来高5000万円を大きく上回る。ネット上でも〈ドラ1競合レベルなら直接メジャーの方が稼げる時代〉〈活躍次第で今後のモデルケースになりそう〉と今後の人材流出を予想する声が相次いだ。

マイナー契約なのに契約金は日本の1位指名選手の2倍近い

NHKBS「メジャーリーグ中継」の元解説者で評論家の秦真司氏が「個人的には日本の球団で数年間土台をつくってからメジャーに挑戦した方が、結果として長く活躍できると思いますが……」とこう言った。

「これまでも高卒後にマイナー契約した日本人選手はいましたが、月給10万円など過酷な環境でのプレーを強いられ、メジャーに到達できなかった。森井の場合、契約金が2億3300万円と破格。大谷の1000億円契約で強烈に印象づけられた日米の金銭的格差が、日本のアマ球界にも波及した。森井が想定通りに3年でメジャーデビューできれば、モデルケースになります。マイナー契約なのに日本の1位指名選手の2倍近い契約金がもらえるなんて、日本の球団にとっては衝撃というか脅威でしょう」

 アスレチックスは2028年にはネバダ州ラスベガスに本拠が移転する。今季から3年間は昨年までのオークランドと同じ、カリフォルニア州のサクラメントを暫定本拠地として試合を行う。「3年でメジャー昇格」が実現すれば、新本拠地で戦う4年目には主力となっている可能性もなくはない。

 日本のプロだけでなく、今後は高校生の甲子園のスターなどトップクラスのアマチュア選手が、こぞって「直メジャー」を目指す時代が来れば、日本球界はますますメジャーリーグのマイナー化が進む。

  ◇  ◇  ◇

直メジャーもしかり、佐々木麟太郎のように米大学進学という選択も注目を集めている。その場合、選手にはどのような環境が用意されているのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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