梅毒から身を守るにはどうすればいいのか…新規感染者が15年間で23倍に急増
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月17日 9時26分
しかし、最新の「青少年の性行動調査」(主催・日本性教育協会)から必ずしもそうはいえないと尾上院長は言う。
「約6年ごとに、中、高、大学生のデートやキス、性交の経験率を調べているこの調査によると、いまの高校生は性交渉は面倒くさいと考えているようです。実際、高校生のデートやキスの経験率は過去3回の調査に比べて減少幅が大きく、女子高生のキス経験率は2005年の52.2%から2023年には27.5%に下がっています。新型コロナの流行や景気の悪化などに加え、不倫・セクハラへの批判もあり、若者の性行動の萎縮へとつながっているようです」
では、なぜ奥手のはずの若い女性に梅毒が増えているのか?
「一部の性に積極的な若い女性と複数付き合う若い男性がすでに感染していて、そこから広がっている可能性があると思います。実際、性交体験のある高校生・中学生の男女比率は20年前を境に女子が男子を上回っているのです」
気になるのは、10月2日までの暫定値でも40歳以上の女性が764人も感染していること。なかには配偶者のように特定のパートナーとしか性交渉を持たない人も多いはずで、梅毒が一般家庭にも広がりつつあると思われる。
では、梅毒から身を守るためにはどうすればいいのか?
「まずはコンドームを使い感染リスクを減らす。避妊にピルを使っても感染は防げません。定期的に性感染症検査もしましょう。梅毒は粘膜で感染するので口腔内に問題がある場合は性交を避けましょう。また、肛門性交はしないこと。穴の径が小さく性的興奮による分泌物もないため直腸の粘膜が傷つきやすい。そこから梅毒をはじめクラミジア、HIVなどの病原菌が侵入します。肛門性交は感染リスクが高いことを覚えておきましょう」
なお、いまは梅毒なら注射1本で治す薬がある。恥ずかしがらず性感染症専門医などに受診することだ。
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