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新庄監督の《育て方が違った》に覚える違和感の正体…上沢よ、雑音なんて気にするな!(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月18日 9時26分

新庄監督の《育て方が違った》に覚える違和感の正体…上沢よ、雑音なんて気にするな!(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

上沢直之(C)共同通信社

【持丸修一 76歳名将の高校野球論】#55

「ちょっと育て方が違ったのかな」ーー。

 日本ハム新庄剛志監督の上沢直之(30)に関する発言が話題を呼んでいるようです。

 私の教え子でもある上沢は、日本ハムから23年オフにポスティングシステムを利用してメジャー挑戦。レッドソックスなどでプレーし、今オフに古巣ではなくソフトバンクへの移籍が決まりました。たしかに、新庄監督の「悲しい」という気持ちも理解できる。ここまでバッサリ言い切ったコメントに溜飲を下げたファンもいたことでしょう。

 しかし、私は堪らなく悔しい気持ちが込み上げてきた。どれだけ上沢が思い悩んでいたのかを知っていたからです。今オフ会った時、「日本ハムに戻りたい」とも聞いていました。

 歯がゆさと同時に、「育て方を間違えた」という新庄監督の言葉にとても辛い感じの違和感を覚えました。いろいろと思うところはありますが、新庄監督と上沢が関わった2022年からの2年間を振り返ってみます。

 監督就任時、新庄監督は「優勝を目指しません」と宣言し、1年目の開幕投手には、チームを成長させるための方針とはいえ、前年にチーム最多12勝を挙げた上沢ではなく、ルーキーを指名しました。もちろん、本人の出来不出来もあったのでしょうが……。

 選手育成に照準を定め、日替わり打線や頻繁に守備位置シャッフル。得点数と失策数で負の側面が出てしまったようです。チームは最下位となり、上沢は8勝9敗で5年ぶりに負け越しました。私の勝手な想像ですが、当時の上沢は必要とはされていなかったのでしょうね。

 翌23年の新庄監督は「優勝しか目指さない」と方向転換したものの、叶わず。この2年の間に近藤健介選手は「もっと成長できる環境で勝負したかった」とソフトバンクに移籍しました。

 プロ野球のことは専門外とはいえ、これだけを見れば、新庄監督の「育て方が違った」という表現は、身内だからか、なかなか理解できないのです。

 また、今回の一件で日本ハムは上沢にどのようなオファーを出したのか分かりませんが、報道では、ソフトバンクの「4年10億円」に対し、「単年1億7000万円」です。どれだけ古巣への愛情があっても、失意のまま米挑戦を終え、しかも養うべき妻子がいる身であればソフトバンクを選ぶのは無理もないはずです。

 上沢は優男なルックスに反して、負けん気が強い男です。高校時代はどれだけ打ち込まれても音を上げず、自分からマウンドを降りようとすることはなかった。私はアドバイスなどできる立場ではありませんが、応援団のひとりとして、彼の決断を心から支持してエールを送りたい。

 新天地で結果を出して、とにもかくにも勝つことでネガティブな声を吹き飛ばしてほしい。雑音や批判なんて気にするな!

(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

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