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大阪万博“引き抜き人事”に労組が抗議書提出の異常事態…府職員からは「通常業務さえままらない」の悲鳴

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月18日 9時26分

大阪万博“引き抜き人事”に労組が抗議書提出の異常事態…府職員からは「通常業務さえままらない」の悲鳴

必至のPRも効果は微妙?(C)日刊ゲンダイ

 迷走が続く中、4月13日に開幕が迫る大阪・関西万博。石破首相は機運醸成のため、17日にも万博協会の名誉会長に就任し、19日には会場を視察する方向で調整中だ。

 チケットの販売実績(8日時点)は目標の半分程度にとどまり、参加を予定していた国の撤退も相次いでいる。それでも地元・大阪府はなんとか盛り上げようと躍起だが、府庁の職員からは「万博引き抜き」人事への不満の声が噴出している。

 大阪府は1日付で人事発令を行い、総務部や財務部、福祉部などから計8人の職員が、万博推進局と万博で賓客の接遇に関わる大阪儀典室に異動した。府職員労働組合は14日、この引き抜き人事に対し、吉村洋文府知事に抗議書を提出。「職員削減と採用抑制によって職場は疲弊しきっている」と指摘し、「『万博』を理由に職員に多大な負担を強いる人事異動に対し厳重に抗議します」と訴えた。

 府企画厚生課によると、昨年4~9月に時間外勤務が月80時間を超えた府職員は102人。5年前の同時期と比べ、約1.5倍となった。また、2023年度に「精神疾患等により7日以上休業した職員」は300人に上る。

■「たまったもんじゃない!」

 職場の現状について、府職員労組の小松康則執行委員長はこう話す。

「人員不足で通常業務さえままならないのに、万博関連業務に人員を割かれ、その補充もない。これから年度末で忙しくなる時期の異動だったので、現場からは『たまったもんじゃない』という声を聞きます。万博は数年前から決まっていたこと。ここにきて人事異動で現場を混乱させるのではなく、あらかじめ職員を補充しておくべきだったのではないでしょうか。今後も万博のための引き抜きが続くのではないか、と職員は戦々恐々としています」

 府の総務部人事課は抗議書について「府としては万博の開幕が迫り、全庁を挙げて取り組む方針を掲げているため、このような人事異動になりました。今回の件に限らず、欠員に対しては前倒しで職員を採用し、非常勤職員や、臨時的任用などで対応するよう努めております」と日刊ゲンダイの取材に見解を示した。

 万博にシャカリキで府の組織が回らなくなってしまうようでは、あまりにも本末転倒だ。

 ◇  ◇  ◇

 吉村知事が副会長を務める万博協会は、チケット販売目標2300万枚のうち1400万枚を前売りでさばく計画だ。しかし、販売実績は昨年12月25日時点で746万枚。チケットの販売不振は死活問題なのに、協会に問うとずいぶんとのんびりしているようで……。●関連記事【もっと読む】『大阪万博の赤字回避は薄利多売な「ぬいぐるみ・お菓子」頼み…開幕100日切っても漂う楽天ムード』もあわせてどうぞ。

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