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内閣府はまるで“狼少年”…需給ギャップ「2025年度に解消」の見通しに経済界も失笑?【政官財スキャニング】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月18日 9時26分

内閣府はまるで“狼少年”…需給ギャップ「2025年度に解消」の見通しに経済界も失笑?【政官財スキャニング】

楽観すぎる(経済財政政策担当の赤沢亮正大臣)/(C)日刊ゲンダイ

【政官財スキャニング】

官界通(以下=官) 4月からの2025年度に、日本のデフレの大きな原因になってきた需給ギャップが7年ぶりに解消され、政府はデフレ脱却宣言を出せるかもしれないという見通しが内閣府から出たが、経済界の反応はどうかね?

財界通(同=財) そうなってほしいとの思いは共通だが、そんな楽観論に失笑し、首をかしげる向きが多い。なかには「これまで何度も楽観的な見方をしては、修正を繰り返した。狼少年のようだ」「夏の参議院選へムードをよくするためか」と指摘する財界人もいる。

政界通(同=政) そうだろう。今年度の経済成長率だって当初は実質1.3%と見込んだのに、下方修正を重ねて0.4%まで下げた。内閣府はどういう計算をして、あんな数字を出してくるのかね。

官 民間調査機関の予測を「慎重過ぎる」とけなすが、昭和の時代のような精度の高い予測ができる官庁エコノミストはもういない。

■政策不在もいいところ

財 それだけではない。企業が政府の要請に応えて賃上げ率を高めてきたのに、円安の進展などによる物価上昇を予測外れの言い訳にする。政府は長年、成長戦略を掲げながら成果を出せないでいるのに、また「賃上げ」に頼った需給ギャップの解消を見込むなんて、政策不在もいいところだ。

官 需給ギャップは、企業などが持つ製品やサービスの供給力に対し、消費や投資など需要量が上回ればプラスになる。そうなれば確かに個人消費や設備投資が日本経済を引っ張る脱・デフレになるが、内閣府の言うようにならなければ、企業はバランスを取るために供給力を縮小するだろう。

政 また、バブルがはじけた後のように従業員のリストラか?

財 そうならないために、経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)や経済同友会の新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス社長)らは今後も積極的な賃上げをするように呼びかけているが、内閣府の見通しが楽観的過ぎたと分かったときは、賃上げも勢いを失う。罪つくりになるかもしれないな。

(構成=竜孝裕/ジャーナリスト)

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