裏金3500万円で職員略式起訴、「都議会自民党」解散で自民は都議選“死屍累々”…ほくそ笑む小池・石丸・玉木
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月18日 11時38分
(左から)小池都知事、石丸伸二氏、玉木雄一郎氏(C)日刊ゲンダイ
もはや、裏金自民に上がり目はない。
都議会の自民党会派の政治団体「都議会自民党」が政治資金パーティーなどの収入3500万円を収支報告書に記載しなかったとして、東京地検特捜部が17日、政治資金規正法違反罪(虚偽記入)で会計担当の矢島英勝職員(72)を略式起訴した。支出分も含めた虚偽記入の総額は計約6300万円と認定した。また会派幹部が昨夜、都庁で会見し「ずさんな資金管理を排除する」として政治団体の解散を決めたことを明らかにした。会派は維持する。
都議会自民は2019年と22年に都内でパーティーを開催。都議には2万円のパー券50枚の販売ノルマがあり、超過分を都議側が中抜きし、自由に使えた。NHKによると、不記載があったのは現職都議など計26人で、会派トップの幹事長は8人。裏金額が最も巨額だった都議は300万円余りで、幹事長経験者だという。
許しがたいのは、旧安倍派同様の手口で裏金づくりに手を染めていたのに、都議の立件が見送られたことだ。裏金額が立件ラインの3000万円を超える都議がいないからだそうだが、矢島職員だけが悪者など、あり得ない話だろう。
「矢島さんはもともと都庁職員で、都議会の自民党控室の受け付け業務に従事していた。退職後は自民側に雇用され、通算30年以上も勤めています。都議から信頼されていて、カネの出し入れを任されていたのは間違いないでしょう。ただ、一職員の彼が裏金づくりを主導できるわけがない。都議の指示があったと考えるのが自然です」(都庁関係者)
■「矢島さんはただの集金役で“貧乏くじ”を引かされた」
都議会自民OBが言う。
「パー券の売り上げは現金払い。ノルマを達成できない都議に『ちゃんと売ってこい』とハッパをかけていたのは重鎮都議で、矢島さんはただの集金役だったと記憶しています。“貧乏くじ”を引かされたのでしょう」
しかし、都議も無傷では済まなそうだ。自民党都連は今年6月に予定される都議選で、裏金問題に関係した都議の公認を見送り、無所属での出馬を求める案を検討するという。裏金都議は“死屍累々”だ。
「頼みの綱は公明党ですが、西田実仁幹事長が会見で『国会議員の不記載以上に大変厳しい話ではないか』と批判。都議選の対応について『選挙協力をどうするか何も話は進んでいない』とも言いました。衆院選では裏金事件の影響で自民と共に沈みましたから、都議選では距離をとる可能性がある」(都政関係者)
■自民支持の保守層にも食い込める大チャンス
ほくそ笑んでいるのは、小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会と、都議選に向け新党を立ち上げた石丸伸二・前安芸高田市長、候補擁立を狙う国民民主党の玉木代表(役職停止中)だ。
都ファ関係者が言う。
「最近は国民民主以外の既存政党への不信感が高まっているだけに、我々のような『第三極』は受け皿になれるはず。無党派層のみならず、自民を支持する保守層にも食い込める。こんなチャンスはめったにないでしょう」
自民は都議選で大敗すれば、その後に控える参院選も絶望だ。
◇ ◇ ◇
石丸氏が今夏の都議選に向けて新たに立ち上げた地域政党「再生の道」に、「日本維新の会」が飛びついた。吉村大阪府知事が秋波を送る狙いとは…。関連記事【もっと読む】で詳しく報じています。
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