交通規制で配送業者は悲鳴、ごみ大量投げ捨ても…駅伝・マラソン真っ盛りの裏で泣いている人たち
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月19日 9時26分
(C)大会ホームページより
テレビで観ている人には分からないだろう。
陸上界は今、ロードシーズン真っ盛り。1月は毎年、元日の全日本実業駅伝で幕を開け、翌日から2日間は箱根大学駅伝で盛り上がる。12日は全国女子駅伝があり、19日は全国男子駅伝だ。
マラソンの主要大会も目白押しだ。26日には大阪国際女子、2月に入れば2日・別府大分毎日、香川丸亀国際ハーフ、9日延岡西日本、24日、大阪マラソン、3月は2日・東京、9日・名古屋ウィメンズ。ちなみに、12月には防府読売マラソン、福岡国際マラソン、全国男子&女子高校駅伝、全日本大学女子選抜駅伝が行われた。
毎年開催されるこれらの大会は、いずれも公道が舞台のため、当然レース前から地元警察の協力により交通規制が行われる。詳細は大会ホームページなどで事前に「おしらせ」がある。
「ですが……」と、グチをこぼすのは、ある配送業社のドライバーだ。
「一般市民や、たまたまコース近くを車で通る人は大会ホームページや道路脇に出される規制看板など見ないでしょう。また、正月の箱根駅伝のコースは交通量が多い東京、神奈川を走るので、全面通行止めにできず反対車線で渋滞が起きるのが常です。テレビで全国放映されない認知度の低いマラソン大会でも交通規制がある。宅配業者なら、その日は迂回路を通らされるので指定された時間に届けられないケースが多く、それを事前通知している会社もある。自転車や歩行者も制限があり、バスや路面電車にも当然遅れが出ます」
ドライバーは続ける。
「正月や日曜日も仕事をしている人はたくさんいる。大阪は今年、1月に大阪国際女子マラソン、2月に大阪マラソン、3月に大阪・関西万博開催記念のエキスポ駅伝が行われる。2月の泉州国際マラソンが公道で行われなくなったからよかったという声もある。いずれにせよ、地元のドライバーは仕事がやりずらいと思いますよ」
毎年4万人弱が参加する東京マラソンは、男子ランナーが道路脇の植え込みに向かって「立ちション」をしたり、ごみの大量投げ捨てがネットで取り上げられ問題になったことがある。昨年は交通規制の影響により、製造と配送業務を休んだ都内の仕出し業者もあった。
マラソンや駅伝選手は、必死になって公道を走っているが、地域の人たちの迷惑の上に大会が成り立っていることを忘れてはならない。
◇ ◇ ◇
ところで、駅伝といえばケニア人留学生の活躍が話題になるが、彼らはどのような待遇を受けて学生生活を送っているのか。その「知られざる実態」とはーー。
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