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カー娘も懸念を表明…カーリングの新ブラシは高速水着や厚底シューズと同じ道を辿るのか

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月19日 9時26分

カー娘も懸念を表明…カーリングの新ブラシは高速水着や厚底シューズと同じ道を辿るのか

ロコ・ソラーレ(C)共同通信社

 よく滑るらしい。

 世界カーリング連盟が日本時間14日、「スイープ用具に関する懸念と審査プロセスの見直し」という声明を発表した。事の発端はカナダで行われていたグランドスラムで使われた一部メーカーによるブラシ。スイープ機能が向上したブラシで、公平性を欠く可能性があることから、グランドスラムに出場した男女30チームが共同で同連盟にルール見直しを訴えた。

 日本の「ロコ・ソラーレ」も吉田知那美(33)のSNSで「最近のスイーピング技術の発展は、明確な用具基準の確立とテストの透明性向上が緊急に必要であること浮き彫りにしています」と声明を出した。

 しかし、問題のブラシは連盟が定める仕様基準を満たしている。スポーツライターの小林信也氏はこう言う。

「一部の選手やチームだけが不当に利益を得るものであれば良くないですが、認められた規定の範囲内でメーカーが開発したものであれば問題ない。技術の進歩を後ろ向きに捉えるのはどうなのかなと感じます。自分たちが培ってきた技術が使えなくなることに不満を持っているのだとしたら、それは違うのではないか。道具の進化に対して技術も進化させていくのも重要なこと。しかも、カーリングはスイープの技術だけでなく、相手との駆け引きも大きな要素で、ブラシの性能だけでは勝てない。他の競技においてもそうですが」

 スポーツの「道具」をめぐってはこれまでも物議を醸してきた。競泳では2008年、スピード社が開発した高速水着「レーザー・レーサー」が世界的に大流行。北京五輪直前だったこともあり、日本水泳連盟は契約していた3社に改良品の開発を求めた。しかし、レーザー・レーサーと同じクオリティーの製品を作れずにいる中、試用を認めた五輪2カ月前のジャパン・オープンで選手が日本記録を連発。北島康介は世界記録を更新した。結局、水連は五輪での高速水着着用を認め、メダルラッシュ。世界的にも社会現象を巻き起こし、北京五輪だけで23個の世界記録が更新されたが、10年には使用禁止となり、ブームは瞬く間に終焉を迎える。

 陸上界でも、ナイキ社の厚底シューズ「ヴェイパーフライ」が記録を連発。18年の東京マラソンで設楽悠太(33)が日本記録を更新すると、その約7カ月後のシカゴマラソンで今度は大迫傑(33)が設楽の日本記録を塗り替えた。20年の箱根駅伝では約85%の選手がこのシューズを履き、青山学院大は大会記録を7分近く縮めて総合優勝。その後、距離を基準とした種目ごとに靴底の厚さに規定ができ、事実上の「禁止」という結末を迎えたのは記憶に新しい。

 カーリングの新ブラシも同じ道を辿るか。

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