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プリンセス天功さん「2代目引田天功」継承44年…いま明かす危険と隣り合わせのステージの数々

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月20日 9時26分

 ネタによっては大変な思いもしました。水が入ったタンクから抜け出す「ウオータータンク」というネタがあります。イリュージョン、マジック的ではないのですが、初代天功は危険なことをしてそこから脱出することが得意で、それを冒険と言っていた。ウオータータンクは初代に倣って私が冒険としてやっているネタです。

 ウオータータンクでは水中に入って3分間息を止めていないといけません。普通、人は水中で3分も息を止めることはできません。では、海女さんはどうやって息を止めているのか。まずそこから勉強です。でも、とても3分止めていることはできない。止めることができるのはMAX30秒くらいです。それなのになぜ、海女さんは3分止めていることができるのか……。海女さんの呼吸法を研究したり、いろんなところに話を聞きに行って研究したり。それでもうまくいかない。習得するのは苦しかったですね。

 ある時は公演が毎日毎日続いて風邪をひき、やっている最中にせき込んでしまい、水を飲み、溺れた状態になってしまいました。それを見たスタッフが慌てて緞帳を下ろし、消防の人を呼んで引きずり出してもらい、救急車で運ばれました。そんなことがこれまで5回あります。

 最初にダイナマイトが爆発する中で大脱出をやったのは日本テレビの番組でした。私は爆発の近くにいます。もちろん隠れる術はあります。ただし、爆発の音を聞きながらやるので耳は隠すことができない。ある時は最初の1発で鼓膜が破れてしまった。2発目からは耳が聞こえないから感覚だけを頼りに最後までクリアしました。終わってアナウンサーから質問された時は「耳が聞こえない」と言うしかなかったですね。

 これまで鼓膜が破れたことは5回。そのたびに鼓膜を張り替えました。日本では手術しないといけないけど、当時アメリカでは障子のような薄いものを鼓膜のところにペッと張ってくれる。それをやってもらうと普通に聞こえるようになるんです。アメリカの医学は進んでました。

 ステージは年間300ステージ、実働は200日です。1年を4分の1に分けてアメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本でやっています。家には地球儀があって、行った場所に針を刺してわかるようにしています。もう地球をほぼ1周、全部回った感じです。やっていないのは海の上くらいですね(笑)。

話題になった北朝鮮の公演

 北朝鮮で公演したことが話題になったこともあります。世界中を回っている中でたまたま中国の上海で公演をやっている時でした。あとからわかったのですけど、金正日総書記の特使だという方がいらして、「次はぜひ、ウチで公演を」と言われたんですね。英語やロシア語も交えて話をしてくれて言いたいことはすごく伝わりました。そして社長やマネジャーともコンタクトが取れて。そして行くことになったら、北朝鮮だったという感じです。

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