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「常に痛い…ひたすら我慢です」俳優の阿南健治さん語る帯状疱疹後神経痛

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月20日 9時26分

「常に痛い…ひたすら我慢です」俳優の阿南健治さん語る帯状疱疹後神経痛

阿南健治さん(C)日刊ゲンダイ

【独白 愉快な“病人”たち】

 阿南健治さん(俳優/62歳)
  =帯状疱疹後神経痛

  ◇  ◇  ◇

「帯状疱疹後神経痛」は、簡単に言えば「帯状疱疹の後遺症」です。帯状疱疹は治っても痛みが残り続け、四六時中消えません。今のところ有効な治療法はないようです。

 私が「帯状疱疹」になったのは10年前です。ちょうど1カ月公演の真っ最中で、「安静にしてください」と言われたものの、安静にしていられなかったことや、その後の治療の遅れも重なって帯状疱疹後神経痛になりました。

 初めは背中の痛みでした。舞台中でしたし、背中の筋でも痛めたかと思って近場の整骨院でマッサージを受けました。でも、まったく改善がみられないので整形外科に行ったんです。

 そこで服を脱いで背中を見てもらったら「これは皮膚科へ行ったほうがいい」と言われ、近所の皮膚科で診てもらったところ、赤いブツブツや水ぶくれがあり、「帯状疱疹です」と診断されました。

 この段階で薬を飲んで安静にしていたら治っていたのかもしれません。でも、その後も舞台で走り回ったり、転げ回ったりしていたので、いつの間にか水疱は潰れ、痛くて再び皮膚科に行くと、医師に「あら、潰れちゃったの?」と心配されました。処方された薬を1週間ぐらい飲み続けましたが、改善はなく、あまりの痛みにネット検索などで調べて「ペインクリニック」というものがあることを知って受診したのです。

 そこで神経ブロック注射をしてもらったのですが、それでも良くなりません。このとき、ぺインクリニックの医師から皮膚科の医師宛ての手紙を預かりました。そこには「もっと早くペインクリニックに来させればよかったのに」といった趣旨の内容が書かれていたようで、皮膚科の先生は「怒られました」と言っていました。

唯一、痛みを感じない瞬間は芝居で役に入っているとき

 その後、ペインクリニックの医師から大学病院への入院を提案され、2週間ほど入院しました。そこでも神経ブロック注射はやはり効かず、背中に電極を埋め込んだりしました。電気的な刺激で痛みを和らげる治療のようでしたが、良くなりませんでした。

 最終手段として、脳に電気ショックを与えて痛みの記憶を飛ばす治療法があることを聞きました。でも、さすがにそれは嫌だなと思ったので、なんとか薬で痛みが取れないものかと、そこから数カ月間、いろいろな薬を試しました。

 医師と相談しながら、うつの薬や、医療用の麻薬の貼り薬、新薬の治験に参加したこともあります。藁にもすがる思いで、情報誌で知った怪しげな薬にも1度だけ手を出しました。でも、どれも効果がなく、とうとうやることがなくなって、薬を諦めました。

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