1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

血液がんの「CAR-T療法」保険適用から5年…その実力は?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月21日 9時26分

■厳しい治療だが、がんが消える人も

 前述の通り、患者からT細胞を採取し専門施設でCAR-T細胞をつくるわけだが、それに1カ月は要する。「既存の治療が効かない、あるいは再発」ということは決して時間的余裕のある病態ではなく、CAR-T細胞ができるまでの間に急変してしまうケースも珍しくない。

 なんとかCAR-T療法まで持ちこたえても、そこからが大変だ。

「T細胞活性化に伴うサイトカインの放出で正常な細胞まで攻撃され、高熱、血圧低下、呼吸困難、意識障害・幻覚・錯覚・けいれんといった脳症状が見られます」

 CAR-T療法で完全寛解(がんが消えた)に至る人もいる。しかしその道のりは平坦ではない。悪性リンパ腫でいうなら、CAR-T療法の適応条件をクリアするのが2割ほど、このうちCAR-T療法までたどり着けるのが5割ほど。完全寛解となるとさらに絞られる。取材中、豊嶋教授は何度も「決して夢のような治療ではない」と繰り返していたが、それは非常に素晴らしい治療ではある一方で、恩恵を受けられる人が限られているというところにある。

 ただし、治療選択肢が増えたことは事実。今後の研究の進歩によっては、対象とするがんが広がる可能性もあるというから期待が持てる。

※注=承認されているCAR-T療法は5種類だが、そのうち1種類は日本でまだ実施されていないため、実質4種類

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください