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唐沢寿明主演「プライベートバンカー」は、バブル崩壊期の若者たちの30年後を見るようで…(碓井広義/メディア文化評論家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年1月22日 9時26分

唐沢寿明主演「プライベートバンカー」は、バブル崩壊期の若者たちの30年後を見るようで…(碓井広義/メディア文化評論家)

唐沢寿明(C)日刊ゲンダイ

【碓井広義 テレビ 見るべきものは!!】

 面白い題材を持ってきたものだ。木曜ドラマ「プライベートバンカー」(テレビ朝日系)である。

 プライベートバンカーとは、富裕層のための資産管理・運用を専門とする金融のプロフェッショナルだ。主人公の庵野甲一(唐沢寿明)が際立っているのは、顧客の資産を守るためならどんな雑務もいとわず、あらゆる手段を駆使することだ。

 現在の雇い主は外食業界のドン、天宮寺丈洋(橋爪功)。その依頼で、投資詐欺に遭った老舗だんご屋の主人・飯田久美子(鈴木保奈美)を救ったり、天宮寺家の長男で常務取締役の努(安井順平)が抱える愛人問題を解決したりしてきた。

 このドラマの特色は、物語を通じて「資産」や「投資」や「相続」に関する制度や仕組みが明かされ、そこから生まれるサスペンスや悲喜劇を堪能できることだ。

 また唐沢が演じる庵野のキャラクターが見る側を飽きさせない。銀髪に黒ぶちメガネ。雨傘を手にした英国紳士風のたたずまい。金融の知識や経験から繰り出す奇手・奇策。時々、カメラ(視聴者)に向かって独白するが、その本心は見通せない。

 そんな庵野を「マネーの師」と決め、弟子入りしたのが、だんご屋の久美子だ。唐沢と鈴木が並ぶと、往年の青春ドラマ「愛という名のもとに」(フジテレビ系)が思い浮かぶ。バブル崩壊期の若者たちの30年後を見るようで、何やら感慨深い。

(碓井広義/メディア文化評論家)

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